小売業のリアルとネットで取り組むべきビジネス観測とシステム監視
近年、Eコマースやアプリなどのデジタルサービスが小売業界にも波及しつつあり、店舗でもオンラインでも顧客満足度の高い接客が求められるようになった。しかし、そうした先進的な取り組みと、現場で起きている「実態」にはギャップがあるのも事実だ。企業のデジタル改革を成功させるためには「守りを固めるシステムの監視と、攻めに転じるビジネスの観測が重要だ」とするNew Relic営業統括第一営業本部長・秋山進之介氏に、同社が提供するオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームの特徴を解説してもらった。
顧客はDX効果を実感できているか
ソフトウェアアナリティクス情報をリアルタイムで提供するNew Relic社(以下New Relic、本社:米国サンフランシスコ)は、クラウドの導入推進やエンドユーザー顧客へ優れたデジタル体験を提供するという現在の日本企業が抱える最重要課題の解決を支援している。
「オブザーバビリティプラットフォーム」といわれてもなかなか聞き慣れない言葉だが、平たくいうと、ビジネスやシステムの見える化を支援している企業と解釈いただきたい。
現状、日本の小売業におけるDXは、暗中模索段階にあるといっていいだろう。DXを推進する上で大切なのは、「データをどう活用し、顧客に何をもたらすのか」であるはずだが、現実には、新しいデジタルサービスをリリースし「ポイントアプリを作成した」といった段階で満足し、肝心のデータ分析と活用というフェーズに至っていない企業が少なくない。
理想と現実のギャップ
改めて認識してもらいたいのは、ネットにおける顧客体験はビジネスに大きな影響を与えるということだ。アマゾンではシステム応答が0.1秒遅延するだけで1%の売り上げ損失につながっているし、反対に、ウォルマートでは、ネットのパフォーマンスを1秒改善するだけで、コンバージョン率が2%増加することがわかっている。
我々は、小売業のお客様と対話する中で、理想と現実には大きなギャップがあると痛感している。せっかくネットスーパーを開店しても、ウェブの障害が起きて度々サイトがダウンしたり、サイトが遅かったり、モバイルアプリが起動しなかったり画面がフリーズするなど問題だらけ。顧客はこうした苦い顧客体験をすると、1割の客は悪い口コミ投稿をしたりクレームに発展するが、もっと怖いのが、9割の客は何も言わずに離脱するということだ。
守りを固めて・攻めに転じるNew Relicのサービス
以上を踏まえたうえで、弊社のサービスの特徴は大きく2つある。1つ目はネットがダウンするなどのマイナスをゼロにし、守りを固めるシステム鑑賞を実現すること。2つ目は、マイナスをゼロにした上で、攻めに転じるビジネスの観測ができるということだ。
まず、前者から説明すると、小売業におけるシステム監視状況は(図1)の通りだ。ネットがダウンしたり動作が遅かったりする障害はウェブやモバイルといったフロントから、EC、POS、物流等のアプリケーション領域でも生じるが、これらを外注業者に委託し“丸投げ状態”の小売企業が大半ではないだろうか。企業や人を介していると、問題の特定に難航し数時間から数日を浪費することとなる。
一方、New Relicのシステムを導入するとシステム全体を俯瞰して、どこでどんな障害が起きているのかをピンポイントかつ簡単に把握できるため数分で対処が可能だ。問題が早期に発見、収束できなければ、顧客満足度の低下につながりかねない。
次に、2つ目のビジネス観測の観点でいうと、New Relicのシステムを導入することで、システム全体のデータ様々なデータを抽出。利用者のコンバージョン率や売上、顧客体験に即した様々なKPIを観測できる。ネットスーパービジネスの全体感はどうなっているのか、ログインでつまずいているユーザーの状況や、いつ離脱してもおかしくないユーザーなど、システム状況のみならず、ビジネス状況を観測することで、ひいては売上増加につなげられるといった「攻めに転じる」のだ。
現在、グローバルで1万5000社以上のお客様にNew Relicのシステムをご採用いただき、とりわけ小売業は、ウォルマートをはじめとするグローバルトップ20社のうち半数以上の企業にNew Relicをご活用いただいている。最後に、New Relic活用事例としてOcado(オカド)を紹介して、セミナーは締めくられた。
各プログラムの詳細
下記画像リンクから、各プログラムの詳細をご覧いただけます。