相鉄線沿線の駅周辺や「駅ナカ」への出店を進める=相鉄ローゼン伊藤英男社長
2009年4月、相鉄ホールディングス(当時の社名は相模鉄道、以下相鉄HD、神奈川県/鳥居眞社長)の完全子会社となった相鉄ローゼン(神奈川県)。現在同社は、相鉄グループ全体の経営資源を最大限に活用しながら、構造改革を断行し、経営健全化を進めている。昨年5月に相鉄ローゼンの新社長に就任した伊藤英男氏に、改革の進捗と新たな成長戦略について聞いた。
相鉄グループのリソースを最大限活用し、経営改革急ぐ
──10年5月、親会社である相鉄HDの専務執行役員から、社長として相鉄ローゼンに着任しました。09年4月に相鉄HDの完全子会社となった相鉄ローゼンを、相鉄グループ全体の戦略上どのように位置づけ、成長戦略を描いていますか?
伊藤 当社は09年に上場廃止になるまで、22年間にわたって株式上場企業として、独立独歩の運営方針を貫いてきました。順風満帆だった時代はそれでよかったのですが、今やスーパーマーケット(SM)業界の競争は激化し、当社を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。
一方、相鉄グループ全体から見ると、流通事業の中核企業である当社は、グループ総売上高の約3割を占めるグループ最大の企業です。ところが利益面では、グループ連結決算になかなか寄与できていません。当社の営業利益率や経常利益率を0.1%でも改善できれば、相鉄グループ全体の収益性を大きく改善できます。
したがって、100%子会社化することで、ヒト・モノ・カネといったグループのリソースを最大限に活用し、当社の経営健全化を実現する。そして当社を中核企業とする流通事業が相鉄グループ連結決算に、利益面でしっかり貢献できる基盤をつくり上げたい。
そのための第1ステップが、相鉄HDによる完全子会社化であり、丸紅(東京都/朝田照男社長)さんと相鉄HD、相鉄ローゼンの3社業務提携の締結だったのです。丸紅さんからは、SM経営のプロを派遣してもらい、経営改革を断行し、着実に成果を出しながら現在に至っています。