カワチ薬品、小型店出店拡大も視野に売場面積200坪未満の店舗出店

ダイヤモンド・ドラッグストア編集部
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 北関東を中心に東北、東海エリアに出店を拡大してきたカワチ薬品(栃木県小山市、河内伸二社長、以下、カワチ)。同社の代名詞でもある“メガドラッグストア”は、売場面積700坪を超える超大型DgSとして流通業界には広く知られており、これまで高い競争力を持つフォーマットとして同社の成長をけん引してきた。そのメガドラッグストアを展開する企業・カワチの運営スタイルが大きく変化している。

 4月11日、栃木県那須郡那須町にオープンした那須高原店。同店は、リゾート地として知られる那須高原のほぼ中央、周囲は別荘地で囲まれた幹線道路沿いに売場面積180坪(編集部推定)で登場した。もとは地元食品スーパー(SM)・塩原屋だった店舗に居抜きで出店。売場面積の小ぶりさはもちろんだが、木目調で統一された店舗のつくり、地域の景観条例にしたがって設置したこげ茶色の店舗看板など、すべてがこれまでのカワチスタイルとは全く異なっている。

 店構えだけでなく、これまでのカワチとは異なる仕組みで運営されていることにも注目だ。一つは、定休日の設定。基本的に店舗に定休日を設定していない同社だが、那須高原店は毎週水曜日が定休日となっている。220店舗以上あるカワチでは唯一定休日を設定した店舗(編集部調べ)だ。また、医薬品専用レジが設置されていない点も初めての試みだ。カウンセリング化粧品や調剤の取り扱いもない。小型店であり、月商レベルは商圏環境から1000万円台とみられ、ローコストでのオペレーション構築を強く意識した運営が行われている。

 近年、大手DgSでありながら業績に陰りが見えるカワチ薬品では、出店政策も大きく変化してきている。2010年9月に売場面積250坪でオープンした栃木祝町店は、ヨークベニマルが開発したNSC(近隣型ショッピングセンター)に出店。カワチ薬品の得意とする食品を半ば封印する形で出店した。大型店展開で業界を席巻してきたカワチがメガドラッグストアに代わる新たな収益源を模索している。那須高原店での実験は、果たして同社低迷打開の新たな切り札となり得るだろうか。

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