【全国百貨店】10月の売上高は0.6%増で2年8ヵ月ぶりのプラスに
日本百貨店協会がまとめた10月の全国百貨店の売上高は約5121億円で、既存店ベースでは前年同月比0.6%増と2008年2月以来、2年8ヵ月ぶりのプラスとなった。下旬からの冷え込みでコートなど冬物衣料の売れ行きが伸び、売上高の4割弱を占める衣料品が0.3%増となったことが大きい。そのほか、靴やアクセサリーなどの身のまわり品が1.7%増、食器などの家庭用品も1.7%増と伸びた。食料品は生鮮食品や菓子などは伸びたが全体では0.1%減だった。
売上高がプラスとなったのは、前年の10月が10.5%減と大きく落ち込んでいたことや、日曜日が前年に比べて1日多かったことも関係している。このため、百貨店売上高が本格的な回復基調に入ったとする見方は少ない。
地区別では10大都市圏が1.1%増となったのに対し、それ以外の地区では0.3%減となっており、東京や名古屋などの大都市が全体の売上げを牽引した。
主な百貨店の10月の既存店売上高は、三越伊勢丹ホールディングス傘下の三越(地方店舗を除く)は銀座店の増床効果で8.8%増、伊勢丹(地域子会社と閉鎖した吉祥寺店を除く)が2.1%減、J.フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店が0.9%増(地域子会社を含めると0.5%増)、高島屋が0.8%増(地域子会社を含めると0.5%増)、H2Oリテイリング傘下の阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店の改装工事が影響し1.6%減だった。