ヤオコーVS ベルク 埼玉・和光エリアで勃発!激戦のゆくえと両社の意外な戦い方とは
埼玉県南部に位置し、東京都心へのアクセスのよさからベッドタウンとして人気の和光市。この地に、ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)が2021年10月、22年2月に相次いで新店をオープンした。同社を迎え撃つのが、市内に同じく2店舗を展開するベルク(埼玉県/原島一誠社長)である。地元埼玉を本拠とする有力チェーン2社は和光という「狭小商圏」でどのような戦いを展開しているのか。食品スーパー(SM)の経営コンサルティングで実績多数のアイダスグループ鈴木國朗氏と現地を訪れ、両社の店舗の様子と競争状況を徹底調査した。※調査日2022年3月10日、文中の価格はすべて税抜き
20~22年にかけて両社それぞれ2店舗出店
人口約8万3629人の埼玉県和光市。東京メトロ副都心線・東武東上線の「和光市」駅から池袋までは約20分と、都心へのアクセスのよいことから、ベッドタウンとしての性格が色濃いエリアだ。また、市内には本田技術研究所や理化学研究所といった研究機関も拠点を置いており、30~40代のヤングファミリーが多く居住している。
そんなエリアで、しのぎを削るのが、いずれも埼玉を本拠に首都圏の有力チェーンの代表格として知られるヤオコーとベルクだ。さらに共通するのが、両社とも和光では最近進出したばかりの“新参”である点。先に出店したのはベルクで、「和光市」駅から1.9㎞東に「和光白子店」を20年1月に開業している。それから半年後の7月には、同駅から南へ1.2㎞の場所に「和光西大和店(以下:西大和店)」をオープンした。
後を追うようにヤオコーも和光市への出店攻勢をかける。21年10月に、「無印良品」もテナントとして入る自社開発の商業施設「the market Place和光」の核店舗として、「和光丸山台店(以下:丸山台店)」をオープン。さらに22年2月には、「和光市」駅から直線距離で1.8㎞先に、同社の店舗としては比較的コンパクトな、売場面積474坪の「和光南店(以下:和光南店)」を出店した。
今回は、駅北側から約2㎞離れており、ほか3店とは競合度合いが低い和光白子店を除く、同駅南側で競合するベルクの西大和店と、ヤオコーの和光南店、丸山台店の3店にフォーカスして調査した。明らかになったのは、「ヤオコーとベルクの両社が、それぞれの『強み』を意識した売場づくりを志向している」という事実だ。3店の売場を詳しく見ていこう。