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第1086回

2012年11月6日

日本マクドナルド 原田泳幸CEO(最高経営責任者) 次期成長戦略を発表!(3)

千田 直哉

 私が社長に就任してから今年で9年目になる。過去8年間は毎年、既存店舗を成長させてきた。その前の7年間は連続で既存店はマイナス成長だった。

 

 これまでを振り返ってみると、常に先を予見し、好調な時にこそ痛みを伴う改革を推進してきた。たとえば、店舗の構造改革や戦略的閉店、フランチャイズの構造改革、460社のオーナー企業を200社に絞り、平均所有店舗数を1~2店舗から10店舗に増やすようなことも実施してきた。

 

 その結果、8年間連続で既存店舗をプラス成長させたわけだが、2012年は予見の精度が狂った。それが正直な感想だ。

 

 「3・11」(東日本大震災)の後、予見が従来の手法では当たらなくなったのだ。

 

 2011年7月~9月は節電の影響を受け、非常に大きなマイナスだった。

 今年は、そのリバウンドが必ず来るという確信のもと、夏に客単価を押し上げる商品である「世界の★★★マック」(「ル・グラン」〈フランス〉、「ゴールドマサラ」〈インド〉、オージーデリ〈オーストラリア〉)という新商品3種類を投入した。

 その前のバリュー戦略で獲得した客数増に高い客単価商品を掛け合わせ、売上増強を図るという作戦だ。しかし、今までの成功パターンとは全く違い、とうとうリバウンドは来なかった。

 

 お客様が求めるお得感は、震災の前と後ではまるっきり違う。しかもただ安いものでも需要を喚起することはできない。マーケットが心底冷めていると実感した。

 

 消費が冷めた原因は、全ての国民が自信を失い、不安感に満ち溢れていることにある。それは日本の国力や経済、政治の問題でもある。この閉塞感をいかに変えていくかは、日本全体の課題である、と日々の我々のビジネスの中でひしひしと感じている。

 

 我々は、そうした状況を受けて、2011年のマーケティングカレンダーを洗い直して、継続すべきものともっと発展させるもの、継続してはいけないもの、と棚卸しし、今後の政策を選択と集中をもって進めて行くと決断した。

 

 どんな外的環境であっても、既存店を継続的に成長させるのが経営だ。今回の施策を実施することで、売上は一瞬落ちるかもしれないが、さきほどお話した戦略を推進することで来年からはさらなる発展カーブを描きたい。

 

 なお、2012年12月期の業績見通しの修正発表はしない。修正しなくともルールの枠内に収まると検証しているからだ。

 昨今、さまざまな業界で大変厳しい業績発表が続いている。

 わが社も外的には厳しい環境だが、そういう時だからこそ次の成長のため、質の高いビジネス基盤作りに努めていきたい。
 

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