ドン・キホーテのバイヤーに聞きました

2010/12/15 15:44
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 ドン・キホーテ(東京都/成沢潤一社長)の酒類部門は、全社売上の約5%(約245億円)を占める。

 

 その酒類部門を一手に預かる、小野田望 営業本部第四事業部 商品戦略課酒 マネージャー(31)は、日常業務では、とくにスピードを重視している。

 全220店舗の要望は、すべて受け入れる。店舗から電話で聞いた要望は、その電話を切った次の電話で、数社の問屋に問い合わせ、見積もりを取ってしまう。

 問屋に在庫があり、時間さえ間に合えば、店舗の要望を聞いた翌日に商品を納品することもある。

 

 「新宿店(東京都新宿区大久保)で韓国どぶろくの〈マッコリ〉が異常に売れている」ことを察知した際には、すぐに商品を集め、全国展開の準備を始めた。

 「流行っているものは、市場から一瞬で消えてしまうので、その前に手を打たなければいけない」。

  釣りの“当たり”と同じでピクリと来た時に、タイミングを見て、一気に全社として、引き上げることに力を注いでいるのだという。

 

 そして予感は的中。その直後に、〈マッコリ〉はブームを迎えた。小野田さんは、見事商品を確保し終え、消費者を先回りすることで、需要を迎撃することができた。

 

 「常にアンテナを高くしておきたい」と話す小野田さんは、情報収集にも余念がない。

 「いろいろなことを頼み過ぎているから仕方ないのかもしれないが、最近の卸売業は情報を持っていないので、自分で収集する」。

 

 「来年のトレンドは?」と水を向けると、「『アルコール度数が低いワイン』が来るのでは…」と教えてくれた。ビールや缶チューハイのアルコール度数も下がってきており、若者層を中心に良く売れているからだ。

 「ワイン、微発泡性で度数の低いもの」を強化したいと小野田さん。全世界をまたにかけ、新しい商品の開発に目を光らせる。

 

 小野田さんは同時に「ドン・キホーテ発信で流行をつくっていきたい」と抱負を語ってくれた。

 

 (『チェーンストアエイジ』誌2011年1月15日号では、「バイヤー特集」を実施します。お楽しみに)

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