「デジタル」ではなく「ヒト」DX成功の方程式とは?

鈴木康弘
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Photo by NicoElNino
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DXに取り組む企業の「9割」が迷走している

 コロナ禍でデジタルシフトはますます加速しています。今やその動きは、「デジタル変革」に形を変えつつあると言ってもよいでしょう。デジタル変革とは、「DX」(Digital Transformationの略)を指します。DXとは、「デジタルの力によって仕事や生活が変革されること」です。企業にとってみれば、デジタルを広く活用することで製品やサービスを変革できれば、確かに競争力を高めることができそうです。ここ数年で多くの企業がその重要性に気づき、DXに舵を切り始めました。

 さらに、マスコミは「DX時代の到来」「デジタル革命」などと連日のように特集を組んでは、期待感を煽っています。最近では少し過熱しすぎて「DXバブル」ともいえる状況です。システム会社やコンサル会社は、「DXならばお任せください」と、従来通りのシステムや提案に「DX」の文字を入れて売り込んでいます。人材紹介会社は「この人はDX人材です」といい、プログラミングができるエンジニアや、デジタルマーケティングツールを使えるマーケターを、高い紹介料で企業に斡旋します。その結果、多くの企業が「乗り遅れるな」とDXに取り組み始めています。ところが、DXに取り組み始めた企業の9割が迷走してしまっています。

 これは、なぜなのでしょうか?

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