【特別レポート】CTC 流通業向けにDXソリューションを本格展開

2019/12/16 00:00
    ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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     伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が、流通業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けて本格的に動き出した。4月に流通事業グループの流通第2本部に「CVSデジタルビジネス推進チーム」を設置し、流通業向けのDXソリューションの事業化を進めている。

    コンサルからデバイス、アプリ、プラットフォームまで網羅

    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社  CVSデジタルビジネス推進チーム チーム長 高橋秀樹 氏
    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
    CVSデジタルビジネス推進チーム チーム長 高橋秀樹 氏

     CVSデジタルビジネス推進チームが担う役割は、システム構築やソリューション提供している、同じ伊藤忠グループの事業会社のデジタル化を支援するだけでなく、さらに幅広い領域をターゲットにしていく考えだ。

     同チームの高橋秀樹・チーム長(シニアエグゼクティブエンジニア)は、「CTCの流通向けDXサービスのコンセプトは、リテールだけでなくメーカーと消費者の3者の連携を強化していくこと。Retail as a Service(RaaS)にある」と話す。さらにスーパーやコンビニ、薬局、アパレルといった流通業だけでなく、金融や不動産といった業種も対象にしていく考えだ。

     流通とメーカーの連携では商品の提供やPOSデータでの連携、流通と消費者を結び付けるデジタルマーケティングや決済サービス、メーカーと消費者の連携についてはカスタマーセンターやお客様の声(VOC)の利活用、広告・PRといった分野に対しソリューションを提供する。

     CTCが提供するプラットフォームとなるのがマイクロソフトのクラウドサービスのAzureだ。Azureで提供されるAIやIoTの基盤、ビッグデータ、APIゲートウェー、ダッシュボードなどを活用する。コンサルティングでは、例えば無人化などのスマートストア導入支援から、マーケティングのためのデータ分析支援、効果的なDX推進をサポートするDX中計策定支援などを実施。


    流通業のDX化を加速させるソリューション

     またAIカメラやセンサー、電子棚札などのエッジデバイスに加え、それらを活用した顔認証システム、スマートシェルフ、ウェアラブルデバイスなどはパートナーの商材やソリューションを活用して導入をスピードアップする。CTCはマイクロソフトが提供するリファレンスアーキテクチャーをもとに、それらを連携させスマホレジやウォークスルー決済、デジタルサイネージなどのシステム開発を担う。「顧客にとって導入が容易なサービスを提供したい」と高橋氏は話し、そのためのAzureを活用したプラットフォームであり、エッジデバイスなどでのマルチベンダーを起用することを強調している。

     具体的には、AIカメラや顔認証システムを組合わせた来店者の属性分析を実現する「IOTデータマーケティング」や、OQコードやバーコードを顧客のスマホを活用して決済する「スマホレジ決済サービス」、重量センサーの付いた商品棚とAIカメラを使用してジレ無し決済を実現する「ウォークスルー決済」のサービスを提供する。

     米国や中国をはじめ海外の先進事例に比べ、日本の流通業のDX化は遅れている面は否めない。しかし高橋氏は「人手不足や人口減といった社会変化に対応してDX化は不可避になっていく。そのためCTCも今年4月に組織を立ち上げた」とし、流通業だけでなく金融や不動産分野もターゲットに加えていく。さらに将来的には「より幅広い製造業や公共インフラなども対象としていく」と、CTCの他の事業部との連携によりDXソリューション事業を拡大していく考えだ。

    流通業向けのDXソリューションの詳細は特別レポートで紹介している。

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