プロ野球界のレジェンド槙原寛己でも乗り越えられなかった?!“クセ”の分析からわかること

2022/01/08 05:56
千田 直哉 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア編集局 局長)
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YouTubeに「ミスターパーフェクト槙原」というチャンネルがある。日本のプロ野球界で最後に完全試合を達成(1994年5月18日)した元読売ジャイアンツの投手、槙原寛己さんがプロ野球のOBなどをゲストとして迎え、当時の話をインタビュー形式で振り返るという番組だ。

i-stock/Matt_Brown

“クセ”を見抜く重要さ

 2021年10月9日にゲストとして登場したのは、元プロ野球選手でメジャーリーガーの新庄剛志さんだ(新庄さんは配信の20日後、10月29日に北海道日本ハムファイターズの監督に就任した)。

 「ミスターパーフェクト槙原」の中で新庄さんが得意げに話していたのは、槙原さんの現役時代のクセについてだ。入団当初は通算159勝、59セーブを挙げることになる凄い投手を苦手にしていたが、クセを見抜いてからは一転、カモにしていたのだという。

 「分かっちゃったんですよ。槙原さんの場合、ストレートを投げるときには左肩が5㎜くらい小さく動く。でもスライダーの時は動かない。だから動かない時のスライダーをイチニのサンで打っていた」(新庄さん)と笑いながら話していた。

 そういえば、プロ野球選手のクセについて、阪神タイガースや西武ライオンズで捕手の強打者として大活躍した田淵幸一さんも感慨深げに昔を振り返っていた。

 「巨人の堀内恒夫投手はカーブを投げる時に顎がちょっと上がるんだ。直球の時は、そのままなんですぐに分かる。ずいぶん打たせてもらったなあ」

 「昔のユニフォームは伸縮性がないから、盗塁しようとするランナーは、一度ズボンを上に引き上げる。それが走る合図だったから大抵は阻止することができた」

 けれども、そのクセは自分だけの宝物で同じチームメイトであっても誰にも言わない。話が回り回って本人にクセがあることが伝わり、修正されてしまえば元も子もないからだ。

 クセというのは、実はやっている当の本人が一番わからない。だからこれが相手に分かってしまうとなると、もはや負け戦確定だ。選手たちは死活問題であるから必死になって、他の選手のクセを見抜こうとする。年俸に直結するからだ。

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記事執筆者

千田 直哉 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア 編集局 局長

東京都生まれ。1992年ダイヤモンド・フリードマン社(現:ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。『チェーンストアエイジ』誌編集記者、『ゼネラルマーチャンダイザー』誌副編集長、『ダイヤモンド ホームセンター』誌編集長を経て、2008年、『チェーンストアエイジ』誌編集長就任。2015年、『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌編集長(兼任)就任。2016年、編集局局長就任(現任)。現在に至る。
※2015年4月、『チェーンストアエイジ』誌は『ダイヤモンド・チェーンストア』誌に誌名を変更。

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