「フード&ドラッグ」の急先鋒!? ウエルシア イオンタウン幕張西店現地レポート!
投資額は数千万規模 最新鋭の機器を揃えた調剤薬局
食品のほかに注目したいのが併設の調剤薬局だ。調剤室には「数千万円はくだらない」(調剤担当者)という最新鋭の機器が並ぶ。医薬品を棚から自動でピックアップするもの、指定した量で散剤(粉末薬)に加工できるもの、処方された薬が正しくパッケージされているかを3D画像で瞬時に確認できるものなどを装備。調剤における「対物」業務の効率化を図ることで、薬剤師が利用客とより深くコミュニケーションとる「対人」業務の深化につなげたいねらいだ。
さらに、調剤室にはDgSとしてはめずらしい無菌調剤室(主に高カロリー輸液や医療用麻薬の調剤に用いる)も併設。これについては近隣にあるほかの薬局との共同利用も行う予定だ。
PBを魅力を大々的にアピール 管理栄養士による健康相談にも対応
店内ではこのほか、ウエルシア薬局のPB「からだWelcia」(食品など)・「くらしWelcia」(日用雑貨など)の専用コーナーを展開。後者についてはサンプルを設置し、スポンジの手触りやトイレットペーパーの香りなどを確かめられるようにしている。
また、花王の協力のもと、同社の洗剤や柔軟剤の「量り売りコーナー」を期間限定で設置。容器を捨てずに洗剤を継ぎ足すことでプラスチックごみの低減につなげるというユニークな取り組みだ。
さらに店内に併設したカフェスペース「ウエルカフェ」で管理栄養士による健康栄養セミナーなどを開催するほか、売場内に健康測定コーナーを設けて食生活の改善を提案するといった取り組みも実施している。
このように幕張西店は、「食品強化」というウエルシア薬局が重要視するテーマを売場で体現しつつ、調剤薬局の進化や、店頭を介した顧客コミュニケーションの深化と健康提案の深掘りを図ろうとする戦略的な店舗である。顧客にとってはワンストップショッピングの利便性を享受できると同時に、健康面でも手厚いサポートを受けられるという点でメリットは大きい。
ウエルシア薬局が幕張西店を皮切りに、地域の医・食・住をどのようにカバーしていくのか、その戦略の方向性に注目が集まる。