東京・世田谷にコスモス薬品が連続出店! 住宅街立地の小型店展開が意味することとは?
国内ドラッグストア業界において存在感を大きくしているコスモス薬品(福岡県)。直近では関東地方を重点エリアの1つとしており、19年4月から5月にかけて東京23区内で小型店3店舗を出店し大きな話題を集めた。その後目立った出店はなかったが、世間が新型コロナウイルスの話題で持ち切りの今年4月中旬から5月初旬にかけ、世田谷区内で相次いで2店舗をオープン。これまでとはまた異なる立地への出店が意味することとは。
世田谷区内の閑静な住宅街にあのピンクのドラッグストアが…
東京都世田谷区、東急大井町線の「上野毛」駅から歩くこと約5分。閑静な住宅街の一角に4月14日、付近の住民にとっては見慣れない“ピンク色のドラッグストア”が出現した。店名は「ディスカウントドラッグコスモス上野毛店」(以下、上野毛店)。業界関係者なら誰もが知る急成長中のドラッグストア、コスモス薬品の新店が世田谷区内に初めてオープンしたのである。
この場所では以前、東京都や神奈川県で食品スーパー(SM)を展開するトップ(東京都)が「パルケNEW上野毛店」を営業していたが19年4月に閉店。そこにコスモス薬品が居抜き出店したかたちだ。売場面積は100坪超とみられ、化粧品や医薬品、日用雑貨のほか、コスモス薬品が得意とする冷凍食品や加工食品を中心とした食品、酒類も豊富に扱っている。支払いには現金のほかクレジットカード、各種バーコード決済・交通系ICカードなどにも対応。調剤薬局は併設されていない。
競合店としては、通りを一本挟んだ向かい側には「トモズ上野毛店」、さらに100mも離れていない至近距離にも「マツモトキヨシ上野毛店」がある。コスモス薬品の出店によって三つ巴の戦いが熾烈さを極めるのは必至だろう。マーケットボリュームを考えると“飽和”と言えるような状態だ。
ちなみに、コスモス薬品も順風満帆のスタートとはならなかった。開業からわずか4日後の4月18日に従業員が新型コロナウイルスに感染したことが判明。同日および翌19日に臨時休業するという憂き目にあっている(20日より営業を再開)。