3つの“神コスパ”で日本初上陸、韓国トップバーガーブランドの戦略

2024/06/24 05:55
油浅健一
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日本市場にどこまで食い込めるのか

渋谷マムズタッチ
店舗前には行列が並ぶ

 とはいえ、日本市場にフィットするハードルは決して低くはない。なぜなら、日本における大手ハンバーガーチェーンの牙城は強固で、これまでも新参組の多くが苦戦を強いられてきた歴史があるからだ。

 直近では、鳥貴族のトリキバーガーが大苦戦を強いられたばかりだ。鳥貴族のブランド、十分な商品力、抜群の立地、社長の肝いりでスタートしたプロジェクト。だが、現在は2店のみの営業に留まっている。なにより、閉店した1店舗は、今回、マムズタッチが出店する渋谷だった。激戦区であり、シビアな消費者が多いだけに、鬼門での1号店出店はリスクが高そうだが…。

 この点については、同社は昨年11月にポップアップストアで大成功をおさめており、事前リサーチは完了済みだ。さらにグランドオープンから1週間分の予約人数は3日で5600席が完売、滑り出しはパーフェクトといえる状況だった。また、グランドオープン以来40日余りで累積顧客10万人、売上高1億円を達成。 「これは日本国内のQSR(Quick Service Restaurant)の主要フランチャイズブランドである日本マクドナルドの店舗別月売上平均2,173万円と、日本KFCの店舗別月売上平均1,228万円をそれぞれ3倍と5.4倍上回る数値」とイ氏。 オープン初期とゴールデンウィーク連休以後、オープン7週目に入った現在までも一日平均訪問客数2500人を着実に維持し、日本国内のフランチャイズとしては異例的に売場前の常時待機が続いている。 1日平均のテーブル回転率も、フランチャイズ業界の平均を大きく上回る10回あまりを記録しているという。

 「ポップアップで顧客を満足させた経験が口コミで広がり、1号店の興行につながったのではないかと思う。また、日本国内のバーガーブランド製品40種余りに対する比較テスト以後、日本顧客を対象に数回にわたり消費者テストを行うなど、日本顧客の味覚をつかむために努力する一方、高品質製品を合理的な価格で提供し『コスパ』を重要視する日本顧客に期待以上の満足感を与えたと分析している」とイ氏は続ける。

 4月に来店者を対象に実施したアンケート調査では、96%以上が「再訪問意思あり」を、75%が主要再訪問理由として「既存の日本内QSRブランドで経験できなかった味」を挙げた。このようなマムズタッチ製品とブランドに対する高い顧客ロイヤルティはレビューにもつながり、グーグルレビュー評点4.6、顧客レビュー数は1300件を突破した。

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