トライアルの”都心部攻略”の成否を占う!? 「TRIAL GO 今泉店」売場レポート
トライアルカンパニー(福岡県)は3月24日、次世代型スマートストア「TRIAL GO(トライアルゴー)」の最新店舗、「TRIAL GO 今泉2丁目店」(以下、今泉2丁目店)を福岡市内にオープンした。トライアル全店でみてもほぼ類を見ない、都心部立地の小型店である。「24時間顔認証決済」「AIカメラによる売場・商品のモニタリング」といったトライアルならではの最新技術を導入するほか、約50坪という小さな売場で価格、品質、品揃えそれぞれを追求した商品政策(MD)を取り入れ、既存のコンビニエンスストアやミニスーパーとは一線を画した店づくりを志向している。近年の”都市型小型店ブーム”に一石を投じる、同店の売場をレポートする。※文中の価格はすべて税込み
福岡・天神すぐの都心部にトライアルが進出!
「TRIAL GO」は、大型のスーパーセンター(SuC)を主力業態とするトライアルが“小型店フォーマット”として出店を進めているもの。昨年4月に福岡県宮若市で「脇田店 in みやわかの郷」(以下、脇田店)を実質的な1号店としてオープン。その後福岡県内で徐々に出店を進めており、現在「TRIAL GO」を屋号に掲げる店舗は11店舗を数える。
その最新店舗として3月24日に開業したのが、今泉2丁目店だ。九州随一の繁華街・天神エリアから徒歩圏内にあるマンションの1階部分、コンビニエンスストアの退店跡への居抜き出店で、売場面積は約50坪。脇田店が約300坪の“食品スーパーサイズ”だったのに対し、今泉2丁目店は“コンビニサイズ”の店舗となっている。
高品質&低価格でコンビニとの差別化図る総菜売場
売場を写真とともに詳しく見ていこう。
入口最前部に配置されているのは総菜売場。平台と壁面を使い、近隣のSuC店舗や、トライアルグループで総菜の製造を担う明治屋(福岡県)のセントラルキッチンから供給を受けた商品が並ぶ。
オープン日の目玉商品として売り込まれていたのが、鮮魚寿司だ。近隣のSuC店舗で店内調理されたもので、都心部のコンビニやミニスーパーではまずお目にかかれない見栄えの良さと鮮度の高さが特長。単身・少人数世帯の需要を見込み、SuCで販売している商品よりも量目は減らした。「上握り6貫」(380円)、「生サーモンの炙り握り」(399円/6貫)などワンコインで買える商品のほか、旬のネタを使った「春の厳選にぎり」(599円)、「海鮮漬け丼」(399円)など、豊富なラインアップとなっている。
弁当類も、トライアルが追求する「低価格・高品質」のコンセプトが貫かれている。「ロースかつ重」(329円)、「豚蒲焼丼」(350円)、「明太高菜の鯖ほぐし重」(320円)、「牛焼肉丼」(399円)などほとんどの商品が300円台。年々価格が上昇しているコンビニの弁当類と比較するともはや“激安”の域だが、寿司同様に近隣SuCで店内調理、あるいは明治屋のセントラルキッチンで丁寧に作りこまれたもので、値打ち感が大きい。
なお、総菜売場の上部では複数のカメラが稼働しており、商品の販売動向や売場の状況などを常時モニタリングしている。映像は供給元の近隣店舗やセントラルキッチンにそのまま配信されており、それをもとに製造数・納品数などが決定される。