家具・インテリアECの強者「LOWYA」が19年越しで踏み出す「リアル領域」その狙いと勝算
常に意識している「流通の変革」
あえて距離を置いてきた19年越しの直営店舗開業も、あくまで「軸足はEC」と明言する浮城氏。環境が変化する中で、より立体的な商品選びを可能にすることで、ユーザー満足度を高めるための一施策に過ぎないといわんばかりだ。
「流通を変革する」。浮城氏が常に意識しているのは、この1点。だからこそ、そこに通じると判断できればこそ、状況を見極めたうえで躊躇なく決断する。
家具販売では、実店舗で現物を確認して購入するという常識を変えた。売上の8割以上を占める家具ECに続く柱として注力する越境EC事業「DOKODEMO」では、日本製品の流通を変革すべく、試行錯誤を続けている。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの最新テクノロジーによる、物理的な壁の突破も念頭に、新たな可能性の追求に妥協はない。
起業家としての“成人”を前に、家具のEC化を推進した慎重さと大胆さを併せ持つ異端者が創業の地に構える初の直営店舗。そこでどんな化学反応が起こるのかーー。野望の実現へ向けた大きな転換点にもなりそうなだけに、福岡発の流通変革の行く末に大いに注目だ。