家具・インテリアECの強者「LOWYA」が19年越しで踏み出す「リアル領域」その狙いと勝算
19年目にして初の直営店舗運営に踏み出した2つの理由
2004年の創業から19年。「地道にやってきた」中で、着実にステップを踏みながらたどり着いた家具EC分野におけるトップの一角。そんな同社が2023年に入り、方向転換ともみえる動きを強めている。かたくなに距離を置いてきたリアル店舗との距離を急速に縮めているのだ。
理由は大きく2つある。ひとつは、コロナ禍での環境変化。もうひとつはさらなるEC市場でのポジション確立のためだ。
コロナ禍で同社が売上を伸ばした一方、そこに着眼した大手がEC部門を強化する動きが加速。しかもそれは、リアルとの融合を意識したOMOの構築と連動する。そうなれば、同社にとって、強みのネットによる情報発信力だけではどうしても手薄になる。だからこそ、リアル店舗を自ら運営することでこうした動きに対抗。より質の高い情報発信および集客につなげるのが狙いだ。
2つ目の理由はシンプルだ。あえてリアル店舗の領域に踏み込むことで、顧客をEC領域へ誘い、さらなるECユーザーを増大させるためだ。
大手リアル店舗の強みはその認知度。全国展開する店舗はそれだけで名が知られ、優位性がある。一方のEC専業は、売上が上位に肉薄していても、認知度が低い傾向にある。実際、同社の認知度は15%超で、8割を超える大手とは大きな差がある。そうしたジレンマを解消し、ブランド力を一層高めることで潜在顧客を一気にすくい上げる算段だ。