地方の大都市出店モデル 「ヤオコートナリエ宇都宮店」 注目のデリカ商品を一挙レポート
こだわりの魚総菜
新ブランド「漁火GRAND」
次に総菜売場を見ていこう。
とくに、注目したいのが、ヤオコー最大規模で展開する魚総菜の売場だ。店舗周辺には所得の高い層が多く住むことから、こだわりの魚総菜を提供する新ブランド「漁火GRAND」を導入する。
取材日は、パン粉付けも店内で行う特大サイズの「大海老フライ」(1尾398円)や、店内でカットしたするめいかを使ったメニューを、唐揚げや煮物、南蛮酢など多様なメニューで提供している。
「大海老フライ」については、同じ素材を使った米飯商品も展開している。「大海老フライ巻き」や「大海老天むす」(ともに598円)などで、素材の特徴を巧みに生かした商品開発は行われている。
高級おにぎりに炙りいなり…
手軽な米飯類を深掘り
米飯では、おにぎりやいなり寿司など手軽に楽しめる商品でも新しい提案が見られた。
おにぎりでは、ヤオコーが提案する米のブランド「幸米」と、有明海産海苔を使い“高級おにぎり”と呼ぶ商品を投入していた。「いくら」「銀鮭西京味噌」「焼うに大葉」の3種を各298円で販売する。
いなり寿司では、店内で皮から炊き上げて出汁の“じゅわっ”と感を出した「狐珀(こはく)いなり」を大きくコーナー化した。米飯のなかには天かすを入れることで食感や風味に特徴を出している。スタンダードか「だし香る狐珀いなり」(5個・298円)だけでなく、「炙り・すだち」(5個入り・358円)も展開。ヤオコーではすでに日販5万円を超えるカテゴリーに成長しているという。
店内で蒸し上げる
上質素材の茶わん蒸し
おにぎり、いなり寿司の隣で展開するのが、「寿司屋の茶わん蒸し」コーナーだ。店内コンベクションで蒸し上げるこだわり商品で、すでに新店で販売していたが、トナリエ宇都宮店では、ラインナップを広げて大きくコーナー展開した。うどん入りでボリュームを出した商品や、うに、かにあんといった豪華な具を入れた商品など計4種類を販売している。
このようにトナリエ宇都宮店は、今後の成長ためのモデル店とするがゆえに、ヤオコー渾身の新MDが多数盛り込まれていた。ヤオコーは同店を、浦和パルコ店のように繁盛店に導くことができるのか、同社の新店のなかでもとくに注目したい店舗である。
【ヤオコートナリエ宇都宮店 概要】
所在地 :栃木県宇都宮市駅前通り1-4-6
開店日 :2月9日
売場面積:約2341㎡
年商目標:19億円(初年度)