現役ドラッグストア店員が解説!町田市にオープンしたコスモス薬品「町田根岸店」のここがスゴイ
忘れてはいけない、「ドラッグストア」としての機能
次に気付いたのは生活雑貨の取り扱いの多さだ。キッチン用品のほか、季節品のカイロ、カーペット・布団に敷く断熱マットレス、さらには快眠をサポートする枕まで、寒さ対策関連グッズが豊富に売られていた。
一方、三和はあくまでも食品スーパーのためキッチンまわりの小物アイテムの取り扱いはあれど、生活雑貨の品揃えはコスモス薬品より乏しいイメージだった。需要はあるが、取り扱いに限界がある生活雑貨は、同じテナント内に入っている服飾店やディスカウントストアなどでカバーしているようだ(参考店舗:スーパー三和玉川学園前店、フードワン森野店 ※いずれも東京都町田市)。
ここまで食品や雑貨について取り上げてきて少し忘れそうになるが、コスモス薬品はあくまでドラッグストアである。処方せん受付ももちろん行っている。処方せんを渡した後、受け取るまでの待ち時間を店内で過ごせるのは大きなポイントだ。調剤薬局内のイスで黙々と待つ時間を買物時間に当てられ、1日を有意義に過ごすことができる。
薬・食品・日用品の買い物がワンフロアで済んでしまうのも、お客にとって非常にラクである。効率よく各売場を回ることができるのもコスモスの魅力だ(玉川学園前店とフードワン森野店は別階にディスカウントショップがあり、日用品の買物をする際は階段を使う必要がある)。
コスモス薬品は元々、九州エリアを中心にドミナント戦略を進め、顧客満足度の向上を強く意識し続けた結果、2021年度に業界4位というシェアを獲得できた。コスモス薬品の「小商圏(商圏人口1万人)を意識した出店戦略」は、競合店である三和の店舗戦略と共通するところがある。
コスモスも町田市内に2店舗目、3店舗目と出店を重ねていくことで地域の人たちにも認知され、コスモスの利便性や強みも広く知ってもらえるのではないだろうか。今後、“三和一強時代”がどう変化していくのか、町田でのコスモス薬品の進退が気になるところだ。
(店舗概要)
開店日 2021年10月23日
所在地 東京都町田市根岸2-25-4
営業時間 ドラッグストア:9:30〜21:00、処方せん受付:9:30〜19:30(月〜土、日・祝は定休日)
取り扱い商品:医薬品、化粧品、雑貨、食品、酒、たばこ、調剤