間違いだらけ!? お客が集まる地場野菜売場のつくり方
食品スーパー(SM)の青果売場では地域で栽培された野菜や果物を販売する「地場野菜コーナー」が増えている。だが、疑問に思うことも多い。今回は筆者がかつて青果部長を務めていたSM企業での事例を基に、そのあり方と取り組み方を考えてみよう。
味よりも色や形を優先した日本の青果
昔、日本の農産物は地域の非常に限られた範囲で流通するものだった。青果市場は生産者である農家と小売店である八百屋の「個と個」の取引を結びつける機能を持っていた。
しかしSMのような量販店が出現してニーズが変わった。供給に需要を合わせるのではなく、需要に供給を合わせることが求められるようになり、産地側も農産物をおいしい「食べ物」ではなく、流通が容易な「商品」として扱うようになった。
そうした流れから、味ではなく、色や形がよく、鮮度ができるだけ長く保持されることが優先されるようになったのである。種苗会社もその方向で品種を改良するようになった。

たとえばキュウリにはブルーム(果粉)という白い粉が付く。農薬が付着していると間違われやすいので、「ブルームレス」という果粉を抑えたキュウリが開発された。緑色が濃くて収量も多く、保持期間も長いが、実は皮が硬くておいしくない。
30年前は果菜類ではキュウリが最大の売上だったが、ブルームレスへの移行に伴い、その座をトマトに明け渡した。おいしくなくなったからだ。
本当においしい伝統栽培の野菜を
こうした背景のもと、SMで地場野菜を扱う動きが生まれた。私が勤務していたSMでは30年ほど前から地場野菜をコーナー展開していた。色や形を優先し、おいしくなくなった野菜に危機感を抱いたからだ。一般流通はしていなくても、農家が本当においしいと思えるもの、またはその地域だけで伝統的に栽培されている青果を販売したいと考えたのである。
きっかけは当時、







