マツキヨココカラ「matsukiyo」はただのPBじゃない!込められた重大な「戦略」とは

兵藤雄之
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「革新性」「卓越性」へリブランディング

MCCマネジメント商品開発課長
MCCマネジメント商品開発課次長の櫻井壱典氏

 事業会社としてのマツモトキヨシは、2022年に創業90周年を迎えた。マツモトキヨシは、これまで、東京・上野への出店や斬新なテレビCMでドラッグストア業態を全国区にするなど、世の中を驚かせるような取り組みを進めてきた。

 PBへの取り組みも早く、1980年代後半から1990年代前半にかけて開発に着手。2006年に生まれた「MK CUSTOMER」は、医薬品、化粧品、雑貨、食品と幅広いカテゴリーにわたってラインアップするなど、一定の評価を得ていた。その「MK CUSTOMER」が、2015年「matsukiyo」にリブランディングされることが発表された。

 当時から現在に至るまで、同社のPB開発に関わってきた現MCCマネジメント商品開発課次長の櫻井壱典氏は、その背景を次のように語っている。

 「2013年に実施した企業ブランド調査では、5年前と比較して、『利便性』や『親しみやすさ』は大きく改善していたが、社内で重要と位置付ける『革新性』や『卓越性』にあまり変化が見られなかった。そこで、企業のブランドイメージに直結しやすいPBをリブランディングしようということになった」

 2013年の調査結果を踏まえ、店頭の商品棚を見直し、「革新性」や「卓越性」を伝えていくためのブランド設計をどうするかの検討作業をスタートさせた。新たなブランドロゴやパッケージデザインを具体化してローンチできたのが2015年。それらを、2018年までの時間をかけて、じっくりと切り替えていった。

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