「PB偏重」が加速する食品小売業、NB集約の流れは必然か

宮川 耕平(日本食糧新聞社)

NBは集約の流れに?

 店舗業務を効率化するために店頭の品数を抑えたい。そのような傾向も見られます。

 コープみらい(埼玉県)をはじめ6つの地域生協で構成するコープデリ生活協同組合連合会(コープデリ連合会)は、品揃えの整理に取り組んでいます。PB「コープ商品」は最大限に展開する一方、NBは選別する方向性です。

 大川昌彦代表理事専務理事に8月にインタビューしたところ、商品の選別は複数の理由から取り組んでいるとのことでした。

 「コスト増に対応するには、値入れ率の改善が欠かせません。とりわけ売上の過半を占める日配・グロサリーの改善が重要です。よい取り引き条件を引き出すために、売れ筋を厚くする必要があります。それは同時に物流業務や店舗業務の作業改善にもつながります。品目を削るというよりは、整理するという考え方で進めていきます」(大川専務理事)

コープ商品は9月下旬~11月末にかけて全国規模の販促を展開

 あわせて大川専務理事は、各カテゴリーの売上は「トップNBに頼るところが大きい」とも言いました。NBは重要ですが、スペース的にも作業的にも、粗利益確保の面からも、なんでも置けるわけではないということです。

 コープ商品自体も、地域間で重複している商品の集約を進めています。こちらのねらいも単品のボリュームを増やして効率を高め、値入れ率の改善につなげることにあります。

 店頭の品目数は、寄せては返す波のように揺れ動くものです。増えていけばやがて減り、減った後には増えます。ただ、値上げの波が繰り返し打ち寄せる現在、しばらくはNBの取り扱いは集約の方向に向かうのかもしれません。

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