イオンの住関品PB「ホームコーディ」が攻勢! 専門人材の投入で開発体制強化へ
開発方針の2つの軸
ホームコーディの商品開発は、付加価値型と価格訴求型の2つの軸で行っている。付加価値型では消費者の需要を汲み取った高機能な商品を、価格訴求型はシンプルな設計の商品を打ち出す。
それぞれの開発工程について小河氏は「付加価値型は、店頭で吸い上げたお客さまの意見をもとに潜在需要を探る。価格訴求型は、ナショナルブランド商品や素材の相場観を把握し、商品の価格を決めてから生産ロス削減のためプロセスを見直し、商品スペックを検討する」と話す。
付加価値型の例は、「寝具・寝装品」カテゴリーの商品だ。同カテゴリーでは疲れをとったり快眠を促進したりする商品を重点的に開発しており、とくに人気の商品が、夏の夜でも涼しくて寝やすい寝具「置くだけ簡単 アイスコールド 敷パッド」(税抜4480円)だ。同カテゴリーは売場に占める商品構成比がとくに高く、ホームコーディが80~90 %、メーカ―商品が10~20%となっている。
付加価値型の例としてはほかにも、「テーブルウェア」カテゴリーから、時勢によって変化する食生活や、旬の食品の調理に対応した食器を打ち出している。コロナ禍では内食需要の増加を受け、7種類のグラタン皿をラインアップするなど食器類を充実させた。
ホームファッション以外に展開している「家電」もイオンリテールが注力するカテゴリーの1つだ。ホームコーディの家電は基本的に価格訴求型の位置づけで、高機能化が進む大手メーカーの商品とは異なり、シンプルな機能で低価格な商品をラインアップする。たとえば、必要最低限の機能のみを備えた「フラット単機能電子レンジ18L」(同1万4800円)は、使いやすいシンプルなボタン設計が特徴だ。
一方で、メーカー商品にはない特殊な性能を加えた商品もある。機械が苦手な人向けに開発した音声つきの炊飯器は、高齢者を中心に人気だという。ほかにも、「LEDシーリングライト(調光調色)」は入眠しやすい環境を整えるためのタイマー機能「おやすみシーン」を搭載しており、ボタンを押すと徐々に暗くなり約60分かけて常夜灯に変化するという特殊な機能が備わっている。
24年2月期におけるホームコーディ商品の売上目標は対前期比30%増で、中期経営計画の最終期となる26年2月期までに対23年2月期比で2倍の売上高をめざす。