ミツカン、”究極”をめざした納豆がヒットした必然と今後の納豆販売戦略とは

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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テレビCM効果で購買層に思わぬ変化が

 販売開始にあたっては、主要都市でテレビCMを放映し、商品の認知度を高めた。さらにそのタイミングに合わせ、たとえば期間限定で店頭価格を強化した販促を展開した。

ミツカン「金のつぶ 国産小粒納豆3P」のCM
ミツカン「金のつぶ 国産小粒納豆3P」のCM

 納豆マーケティングチームの梶原洋平課長は、「データを見ると、このCM放映が初回購入に繋がっている。一度食べれば品質の高さが伝わり、加えてリピート率が高いため計画以上の数字で推移している」と話す。その勢いは23年度中に10億円の売上もねらえる勢いだという。

 さらに、梶原氏は国産納豆市場のメインの購買層は、60~70代が中心であるのに対し、「金のつぶ 国産小粒納豆3P」は 40~50代が中心で、その要因についても、テレビCMの効果があったと考えている。「当社の既存の納豆購入層とは違った年代層から購入いただいていることになる。自社商品と食い合っていない傾向もこの納豆の強みといえる」と話す。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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