「ダサカッコいい」中国ローソンでFC加盟が2割増 計算しつくされたデザインの秘密

2020/11/06 05:55
    大西良典 OLLDESIGN代表
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    中国ローソン
    中国・重慶のキッズローソン。ガラス張りのイートインスペースはカフェのような雰囲気(著者提供)

     そこで私は、各地でのチェーン化を視野に入れ、お客さまが気軽に入れるようにチューニングした「ダサカッコイイローソン」をデザインしました。カッコイイ方向に振り切れば、もっとシンプルで未来的なデザインにできましたが、現地の人たちが気軽に入りやすい雰囲気づくりを優先したのです。ガラス張りの外観や商品棚に黒いアクセントに用いて、カウンターなどにはウッディな素材をあしらいました。

    イレギュラーな存在がスタンダードに

     結果、欧米のおしゃれなフードショップのような雰囲気になり、たちまち人気店になりました。さらに、重慶では親子をターゲットにした「キッズローソン」も手掛け、子どもがワクワクしてハッピーになるような遊び心のあるデザインにしました。

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     ちなみに、同じ中国人でも大連の人は平均身長が高く、重慶の人は平均身長が低めです。それに合わせて、カウンターの高さも大連は高めに、重慶は低めに微調整しました。ターゲットに合わせたデザインにしたのは、お客さまにストレスを感じさせないための配慮です。

     中国だから全部が全部、同じ統一にすればいいわけではないのです。大連と重慶で私がデザインした2つの異色な「ローソン」は話題を呼び、中国のフランチャイズ加盟が2割も増えました。

     最初はイレギュラーな存在でしたが、需要が増えたことで、今ではこの「ローソン」が中国のスタンダードになりつつあります。規制があるとなかなか冒険がしにくいかもしれませんが、収益という結果を出せば、このように厳しいルールが緩和されることもあるのです。

     店のデザインをするときは、最初から「これはどうせムリ」と決めつけず、既成概念を打破するチャレンジ精神が必要だと私は思います。

     

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