ファミリーマート、ヒット商品連発を可能にする、ある仕組みと仕掛けとは

2022/04/13 05:55
    湯浅 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    22年度取り組む3つのこと!

    22年度のファミリーマートのMDでは、主に3つのことに取り組む。

    1つ目は、買い上げ点数の向上につながる「プラス一品」の位置づけである「ちょいデリ」シリーズの拡大だ。「豆腐と枝豆のひじき和え(230円)」や「海老とトマトのソースペンネ(240円)」など、200円台の商品で、「サラダ×おかず×おつまみ」をコンセプトにしている。塚本氏によると、先行地区での販売が好調でおにぎりなどの買い合わせが良く、「ちょいデリ」を買ったお客一人当たり150~400円の買い上げ金額の増加が見られるという。

    ファミリーマート ちょいデリ
    「ちょいデリ」シリーズ

    2つ目は、冷凍食品の商品拡大だ。特に力を入れるのが冷凍総菜で、21年度は下期以降の売上が伸長していた。今期は「5種の彩り野菜 若鶏と野菜の黒酢あん(398円)」や「鶏ガラと生姜を加えた特製たれのレバニラ(388円)」などの中華料理に特化した新商品の発売を開始する予定で、「家庭で調理するには時間と手間がかかる本格派の総菜」(同)を、レンジ調理だけで簡単に楽しめるという点を訴求する。「冷凍総菜は、総菜商品の中で一番売上構成比が高い。ファミマに来ると、『専門店レベルの高いクオリティの冷凍総菜を安価に買える』というメッセージをお客様に伝えたい」(同)

    ファミリーマート 冷食中華
    簡単に、本格的な味が楽しめる点を訴求する

    最後に、21年度、売上前月比約2倍を12か月のうち、8回超えた「コンビニエンスウェア」の新商品の発売と、売場の拡大だ。今期は、「アウターTシャツ(990円)」で、グレー、あお、きいろの新色を展開するほか、全店で「ソックス専用什器」を導入する。ゴンドラを一本追加することにより、なくなるカテゴリーはないとしつつも「主に日用雑貨の商品で売れ行きが芳しくないものを整理していく」(同)ことで売場面積を調整する模様だ。

    22年度は、前年度成果を上げた看板商品づくりをさらに深耕させるとともに、コロナで変化したお客の生活と価値観に対応していく考えだ。

    「コロナ禍でスーパーマーケット(SM)やドラッグストア(DgS)とのシェアの奪い合いが激化している。コンビニ(CVS)は、テレワークが定着した消費者の、近所で買物を済ます『ワンストップショッピング』という買物の仕方に対応していかなければならない。強みである中食需要を守りながら、幅広い品揃えの商品を揃えた売場をつくっていきたい」(同)

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    記事執筆者

    湯浅 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

    1996年生まれ。シンガポール出身。同志社大学グローバル・コミュニケーション学部卒業後、経済メディアで記者職に就く。フリーライターを経て、2021年12月ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。大学在学中に1年間のアメリカ・アリゾナ州立大学への留学を経験。好きな総菜はローストビーフ、趣味は練馬区を散歩すること。

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