マーケッター必見!ID-POSで自社の顧客を知り、具体的な打ち手を実践する方法とは
最強のデータマーケターを自社で育成する!
2つ目の重要な視点は、「自社で資産管理を行うことに対する経営層のコミットメント」にあります。
新規会員のその後の定着率は、初回の購入金額や点数ではなく、「購入品種数」にあります。お店と顧客のエンゲージメントは、買いやすさや接客を除くと、「カテゴリ購入数とその先の顧客体験(商品使用)を通じて構築される」ということを前提に、各カテゴリのキャプテンとデータ分析を通じた取り組みを行うことが大切です。
そして、さらに重要なのは、自社で統合的に分析が行える人材を育成することです。分析リテラシーの高い人材を兼任ではなく専任で分析に従事させることで最強のデータマーケターを自社で育成する──そうした意思決定が今後必要になってくるでしょう。
当社では現場の方へ分析報告会などOJTを実施しながら、最終的には事業社さまに自走いただけるような伴走型のサポートを提供しています。また、「プレストア(来店前)」から「インストア(来店中)」「ポストストア(買物後)」の各段階で、顧客とどのようにコミュニケーションしながらカテゴリ購入を促すかといった打ち手までを電通グループ全体で提案しています。
本連載を機に、ID-POS分析(顧客資産管理)に課題をお持ちの事業社はお気軽にご相談いただければ幸甚です。次回は価格高騰下における顧客の購買行動変容を掘り下げてみたいと思います。
鬼頭 一太
きとう・いちた● 株式会社電通リテールマーケティング
執行役員 ソリューションセールス室 室長
2007年 ドラッグストアバイヤー職を経て同社へ入社
2007年~2013年 同社CRM戦略企画部にて専任アナリスト、部長職
2014年から現在まで 全社営業統括を担務
※このプロフィールは、DCSオンラインに最後に執筆した時点のものです。