流通業の変革を支えるデジタルトランスフォーメーション
米国ドミノ・ピザの競争力強化を実現したテクノロジー活用に注目集まる
テクノロジーの活用でカスタマーエクスペリエンスを改善
シスコシステムズの展示ブースでは、インタラクティブ次世代サイネージ、クラウド型ネットワークソリューション、本部と店舗をセキュアにつなぐコラボレーションツールを事例とともに紹介
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デジタル変革による顧客エンゲージメントを強化している点でシスコシステムズが公開しているのが米国ドミノ・ピザの事例。商品の類似性やサービスの差別化が難しく、競争が激しいのが宅配ピザの業界。その中で同社は、これまでに蓄積した膨大なデータやノウハウをトータルに統合・連携して分析し、サービス変革につなげることで差別化を図った。
その基盤としてシスコのCisco UCS(ユニファイド・コンピューティング・システム)サーバ、Cisco Meraki、仮想データセンターや分析基盤などのソリューションを活用し、その上でシステムを自社開発しピザのデジタル注文などデジタルマーケティングの改革を図った。「従来からの蓄積された統計データを持っている。それをベースにサービス改革するために統合仮想インフラが必要になる」そこに踏み切ったことが差別化を可能にする。
ドミノ・ピザは、消費者を驚かせる顧客向けサービス提供で注目されてきた。こうしたデジタルマーケティング改革を続けていることで、デジタル注文、顧客満足度、店内満足度の向上を売上拡大につなげ、デジタル投資を開始する直前から、この10年間で株価を2000%高めることに成功した。今、ドミノ・ピザではスマホだけでなくAlexaやGoogleアシスタントで注文すれば、調理台から玄関に到着するまでの注文処理状況が追跡できる。
顧客満足度の高いサービスを提供するために、UCSの仮想プラットフォーム上で1万4000店を接続して膨大なピザ購入傾向の情報を収集。それをもとに喜ばれるサービスや提供できるサービスをスピーディに開発し投入するという体制ができている。社員の多くがデジタルエンジニアであることも「たまたまおいしいピザを作っているハイテク企業」と評される所以だ。
日本の流通業のデジタル化は欧米の後追い
日本の流通業も、ようやくデジタル化へ大きく舵を切り始めた感がある。それに対しシスコシステムズの大野元嗣・公共・法人事業 事業推進本部 インダストリー事業推進部 リテール担当部長は「日本の流通業のデジタル化と言われている事例は欧米の事例を表面的に真似ようとしているように見える。ネットワークインフラや顧客データベースを見直さずにオンライン化してデジタル対応をしたように見せかけているのに過ぎない」と指摘する。論点は明確で、システム全体が連携できるようになっていない、ということに尽きる。
「後追いで投資をしてサービスを追加しても、根本的にシステム連携ができていないため、顧客からはすぐに飽きられてしまう。インフラも含めて垂直で追加するためには膨大なコストと時間がかかり、スピードがあがらずサービス開始が遅れ、すぐに陳腐化してしまう」とし、基本的な構想やそれを実現するシステム基盤が構築されていないのが実態であり、「時代に追いついていけていない」とも。
「ズバリ言えば、日本の小売流通業は、5年以上先を見越したシステム基盤全体を見直した上でないと、デジタル変革に対応できない」これから起こりうる変化やアマゾン等の脅威を先取り、顧客視点での変化を予測した『システム基盤整備』を「経営サイドの考えとマーケティング、IT部門が連携して進めるべきタイミングに来ている」としている。
リテールテックで「おもてなしを支えるテクノロジー」を紹介
今回、「リテールテックJAPAN2018」展示会場内のAI&IoTゾーン(RT1808)の同社ブースでは、「おもてなしを支えるテクノロジー」をフィーチャーし、“小さな京都”を演出する。
実証中のインタラクティブ・サイネージや爆発的にシェアを伸ばしているクラウド管理型Wi-FiネットワークのMeraki、より重要性が評価され注目され始めた位置情報や顧客動線のマーケティング活用などを展示紹介。そのほかにもサツドラホールディングス様で採用されている共有などを実現する遠隔からのホワイトボード共有もデモにてご紹介する。その他、AIを活用した「インスタ映え判定」デモも準備されているので試してみてはいかがだろうか。
◆リテールテックJAPAN 2018
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◆シスコシステムズの導入事例「米国ドミノ・ピザ」