【NEC】小売業の基幹業務システムをクラウドサービスで提供

2012/02/27 19:02
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「NeoSarf/Retail」で小売業のIT改革と経営改革を支援

~ベストプラクティスをバリエーションモデルとして提供~

 

NECはこのほど、小売業の基幹業務システムをクラウドサービスで提供する「NeoSarf/Retail」の販売を開始した。競争が激化する流通業界にあって、経営改革の柱には、ITコストの削減とITリソースの有効活用が不可欠の要素となっている。NECでは、小売業が抱える課題をクラウドサービス「NeoSarf/Retail」で解決。経営資源の最適化を図ることで迅速な経営改革をサポートし、流通業の競争力アップをアピールする。

 

クラウドサービス利用が加速化

 

 流通業を取り巻く環境は、少子高齢化や消費構造の変化、オーバーストアによる競争激化と厳しさを増す一方だ。経営をスピードアップするためにITを導入しても、その運用管理コストの増大や情報システム自体が高度化・複雑化するなかで、十分に活用できていない現状など悩みは多い。さらに昔ながらの勘と経験に頼った発注や店舗オペレーションなど、せっかく導入したITリソースが活用されないままに重荷になっていくケースもある。

 

 時代は柔軟性や拡張性、ITコストの削減をねらいにクラウド化が加速している。システムをサービスとして利用することで、まず煩雑な運用管理から解放される。ハードウエアの調達コストを削減し、コストのかかるカスタマイズからも解放される。そして何よりも、本部や店舗オペレーションといった業務フローの全体最適化が図れることで、経営スピードが向上し、変化への対応力が高まる。また盤石なデータセンター機能を利用することは、激甚な災害が発生した場合に備えた、BCP(事業継続性計画)立案と実行にも役立つ。

 

統合MDとして共通基盤の上で構成

 

NEC 流通・サービス業 サービスソリューション推進本部
本部長代理
岡田 義昭氏

 「NeoSarf/Retail」は、そうしたコンピューティング環境の変化に対応したクラウドサービス。「これまでにNeoSarf/CRM、NeoSarf/EC、新たに加わる、NeoSarf/Logisticsとともに顧客の経営資源の最適化を実現するために、小売業の基幹系業務である統合MDとして提供する」(岡田氏)とし、小売業の経営課題である市場変化への対応や事業拡大、ローコスト経営化を支援する、クラウドサービス活用のメリットを強調する。

 

 小売業では、自社構築した基幹業務システムを逐次機能強化しているケースが多い。各機能は、それぞれ対象となる業務を最適化していても、連携が不十分であったり、連携させることで複雑化してしまう場合もある。「NeoSarf/Retail」では小売業の基本であるマーチャンダイジングを軸として、必要な機能を一括して提供。計画業務やMDオペレーション、管理会計、分析など全ての機能が共通の基盤の上で構成されており、連携性が非常に高い。またスモールスタートにも対応していることは、クラウドサービスならでは、と言えるだろう。

 

NEC 流通・サービス業 サービスソリューション推進本部 主任
菅野 信広氏

 「NeoSarf/Retail」は、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなど「多業種、多業態に対応できる機能と柔軟性を持っている」(菅野氏)というのも全体最適化には役立つ。データの構造はNRF(全米小売業協会)傘下の標準化団体である、ARTSの定めたモデルをベースとしており、さまざまな商材を取り扱う業態に適応できる。また、業務プロセスについては「NECが考えるベストプラクティスをプロセスモデルとして定義し、それを組み合わせることで業務の最適化が図られる」(岡田氏)。プロセスモデルもバリエーションで展開しているので、最適なモデルを導入できるわけだ。

 

 柔軟性の高いデータモデルと豊富なプロセスモデルを持つことで、たとえばM&Aで業態を拡大するときにもスムーズなデータ移行が可能になり、複数の業態を傘下に持つ流通チェーンでも管理オペレーションが簡素化できる。

 

PDCAサイクルをスピードアップ

 業務進行のなかで、PDCAサイクルを回すことは基本。計画を立ててそれを実行、結果を分析・検証し改善を図っていくという流れを「勘や経験といった要素を排除して、データオリエンテッドな機能で固めた」(菅野氏)というのも、より実際的で統合されたオペレーションを実現しやすくするためだ。高度な分析機能を活用することで、業務の高度化を図っていくことが可能になる。

 

 MDオペレーションには、アラートの機能を標準搭載している。「定量化されたデータを基にアラートをあげることで“気づき”を与えることがねらい」(菅野氏)という。本部と店舗ではオペレーションにも違いがあるのは当然だ。それを異なるシステムを用いていると、本部の計画を店舗に即座に伝えられなかったり、本部が実行状況を把握しにくいという課題があった。連携性を高めることで共通の仕組みのうえでアラートがあがり“気づき”につながるわけだ。たとえば、店舗の発注業務では、本部で設定した基準値や販売実績などに基づき、発注数に対するアラートをあげることができる。また、本部では、複数の店舗の実績から異常値をいち早く発見することができる。

NECの持つ情報通信技術と流通システムノウハウを統合

 業務システムにはスピードが要求される。集まってくるデータをリアルタイムで分析するといった必要性も出てくる。そのため「NeoSarf/Retail」では、必要なデータをインメモリーの「大福帳方式でデータを蓄積している」(岡田氏)という。これによりPDCAサイクルを回すため、必要な情報を本部や店舗それぞれの現場でリアルタイムに共有することができる。

 

 岡田氏は「NeoSarf/Retail」のサービス提供について、「NECは過去40年間にわたって、流通業のお客様のシステム開発に携わっており、流通業の業務を知り尽くしている。また、NEC自身が海外拠点を含めた、社員約12万人規模をカバーする社内基幹システムをクラウドで運用しており、クラウドサービスに必要な信頼性、安全性、クラウド運用のノウハウを身をもって経験している」とし、流通システムとクラウドのノウハウを結集したサービスであるという点をアピールする。全体最適化されたメニュー体系とともに、クラウドサービスに必要な盤石なデータセンターやネットワーク基盤を備えていること、さらに最新の技術をサービスとして活用できることが「NeoSarf/Retail」を導入する最大のメリットになるだろう。

 

お問い合わせ先
NEC 流通・サービス業サービスソリューション推進本部
〒108-8421 東京都港区芝五丁目34-2
TEL:03-3456-6169  FAX:03-3456-6067
URL:
http://www.nec.co.jp/solution/retail/neosarf/retail/

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