植物原料バーガーの米インポッシブル・フーズが3億ドル調達
[13日 ロイター] – 肉類を使わない植物原料のハンバーガーを生産するインポッシブル・フーズが13日、3億ドルの資金を調達した。テニス選手のセリーナ・ウィリアムス氏や歌手のケイティ・ペリー氏が支持する同社は新規株式公開(IPO)に踏み切る可能性がある。
これにより同社がこれまでに調達した資金は合計で7億5000万ドル超となった。
同社のデービッド・リー最高財務責任者(CFO)はロイターに「当社は最高水準の厳格さで運営する必要があるため、上場への準備を整えることは優先事項だ」と指摘。「だが当社はIPOの申請手続きを急がない」と語った。
同社にはマイクロソフトの創設者であるビル・ゲイツ氏やコースラ・ベンチャーズ、グーグル・ベンチャーズ、ホライズン・ベンチャーズ、UBS、バイキング・グローバル・インベスターズ、テマセク、セイリング・キャピタルなどの機関投資家が投資している。
関係筋によると、5回目となる株式発行による今回の資金調達は、インポッシブル・フーズの企業価値を20億ドルと評価している。
同業のビヨンド・ミートは5月2日にナスダック市場に上場し、株価は一時IPO価格の3倍を超えた。
リーCFOはビヨンド・ミートのIPOについて、インポッシブル・フーズの計画や上場時期を変えることはないが、事業の「証明」になったと指摘。「(ビヨンド・ミートの)IPOにより、個人投資家と消費者が何十年も食べてきた肉類よりも良い食品へ移行する用意があることが示された」と述べた。
インポッシブル・フーズは2年前に最初の「人工肉パティ」を商品化。ファストフードチェーンのバーガー・キングはインポッシブル・フーズのパティを使った「インポッシブル・ワッパー」を全米の店舗で販売すると発表している。
インポッシブル・フーズは今年下半期に自社の商品を小売店で販売する計画。リー氏は具体的な時期や提携先は明らかにしなかったが、同社は「最大手級食品小売りチェーン」と積極的に協議していると話した。