ヤオコー、25年3月期も2ケタ増収増益で絶好調! HD体制移行後の成長戦略は?

小笠原 玲 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

2510月にHD体制への移行を予定

 263月期は、南北政策の深掘りや生鮮強化に引き続き取り組むほか、SPA(製造小売)型商品の開発に注力する。

 出店戦略では、「ヤオコー杉並桃井店」(東京都杉並区)、「ヤオコー板橋四葉店」(東京都板橋区)など、同社初となる東京都23区内への出店を含む計7店舗を新規出店する。また、ヤオコーの9店舗で既存店の改装を行う。そのほか、せんどう(千葉県/小澤三夫社長)では1店舗を閉店する。

 そして263月期は、10月にHD体制への移行を予定する。現在はヤオコーを親会社とし、エイヴイ(神奈川県/八塩直之社長)、フーコット(埼玉県/笠井規弘社長)、せんどうなど6社の子会社を傘下に擁するかたちだが、「ブルーゾーンホールディングス」を持株会社とし、その傘下に新設する事業会社のヤオコーと既存子会社がぶら下がる体制に改める。

決算説明会に臨む川野澄人社長
決算説明会に臨む川野澄人社長

 HD化により、企業間の交流を通じた人材育成を強化するほか、店舗開発・プライベートブランド商品開発などでの情報共有も促進し、グループ全体で累計500店舗、売上高1兆円の達成に向けて成長スピードを加速させたい考えだ。ヤオコーの川野社長は「会社の規模拡大だけがHD化の目的ではない」としつつも、さらなるM&A(合併・買収)も視野に入れ「将来的なグループ拡大を見据え、HD化が最適と判断した」と話す。

 以上の施策により、263月期の連結業績予想では、営業収益7720億円(同4.8%増)、営業利益338億円(同1.2%増)、経常利益330億円(同1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益205億円(同1.6%増)を計画する。

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記事執筆者

小笠原 玲 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

早稲田大学文学部(ドイツ哲学専攻)を卒業後、教育系の編集プロダクションで国語の入試問題の制作を担当。2024年、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。

休日の大半を台所で過ごすほど、無類の料理好き。得意な料理は、出汁巻き卵と切り干し大根の煮物。料理研究家の土井善晴氏を尊敬している。

趣味は、ミニシアターで映画をみること。音の大きな映画が苦手で、日常を切り取ったような変哲のない映画やドキュメンタリー映画を好む。見た作品のリーフレットを持ち帰り、コレクションしている。

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