キヤノン副社長「1-3月のマイナスあまりに大きい」、業績下方修正で

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4月24日、キヤノンは、2019年12月期の連結業績予想(米国会計基準)を下方修正した。デジタルカメラなどの「イメージングシステム」の不振などが響く。写真は都内で2012年6月撮影(2019年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 24日 ロイター] – キヤノンは24日、2019年12月期の連結業績予想(米国会計基準)を下方修正した。デジタルカメラなどの「イメージングシステム」の不振などが響く。

会見した田中稔三副社長は「1─3月期のマイナスインパクトがあまりに大きかった」と説明。ただ、「1─3月期を底に下期にかけて持ち直す」との見通しを示した。

営業利益予想は前年比20.1%減の2740億円(従来予想3250億円)に引き下げた。スマートフォンの普及や中国の景気減速などを背景としたレンズ交換式カメラの市場縮小が足を引っ張る見通し。

会社予想はリフィニティブがまとめたアナリスト19人の予測平均値3179億円を大きく下回っている。

田中副社長は「中国はGDPをみるとそれほど落ち込んでないが、実感として個人消費が落ちていて、デジタルカメラが大きな影響を受けている」と語った。

こうした状況を受け、レンズ交換式カメラの販売計画を470万台から420万台(前期実績504万台)に引き下げた。

営業利益予想を部門別にみると、複合機などの「オフィス」は前年比7.6%減の2040億円(従来予想2125億円)、イメージングシステムは同25.8%減の940億円(同1020億円)、露光装置や有機EL蒸着装置などの「産業機器その他」は同49.2%減の283億円(同480億円)などとなっている。

全体の売上高予想も前年比2.6%減の3兆8500億円(同3兆9000億円)に下方修正。イメージングシステムの不振を織り込んだ。

ただ、田中副社長は「業績は一時的に足踏み状態となっているが、事業のポートフォリオ転換は着実に進展しており、これをさらに加速させ、来年以降の回復につなげていく」と語った。

2019年1─3月期の売上高は前年比10.0%減の8644億円、営業利益は同47.6%減の404億円だった。部門別の営業利益では、イメージングシステムが前年比81.6%減の47億円、産業機器その他が同65.7%減の52億円だった。

(志田義寧)

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