矢野経済研究所の調べによると、2021年の国内スポーツアパレル市場はメーカー出荷額ベースで前年比9.7%増の5350億円となる見通しだ。20年は新型コロナウイルス感染症の影響による小売店舗の休業や営業時間短縮で市場規模が13.2%減となっており、その反動で一定の回復を果たす。
21年の出荷額をコロナ禍前の19年と比較すると4.8%のマイナス成長で、本格回復には至っていない。特に夏場から秋口にかけては感染拡大で小売店の販売が不振だった。
商品カテゴリー別では、ゴルフウエアが好調で、21年の市場規模は前年比14.6%増の910億円と、19年と比べても0.1%の微増となる見込みだ。ゴルフは「三密」を避けられる屋外型のアクティビティとして、若年層を中心に新規参入者が増えており、ゴルフウエア市場の好調につながっている。
カテゴリー別で最大のトレーニングウエア市場は11.5%増の1278億円で、19年比では3.2%のマイナス成長になりそうだ。そのほか、アウトドアウエア、ライフスタイルウエア、サッカー・フットサルウエアなど、ゴルフウエアを除く全カテゴリーが19年比ではマイナスだった。
同研究所では、22年のスポーツアパレル市場は3.2%増の5521億円になると予測している。19年の5618億円にはわずかに届かない。少子化の影響で、サッカーや野球など人気スポーツの競技人口が減少していることが構造的な市場縮小要因となっている。