あの「東スポ」が餃子を売り込み、食事業を次の柱に据える理由とは?

構成:西岡 克(フリーランスライター)
取材:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

259月に「食」の新たな事業展開!

 「東スポ食シリーズ」を広くアピールするため、東京スポーツ新聞社は、新聞社ならではの人脈を生かし、これまでプロレスラーや俳優を招いた試食会・試飲会などのイベントなどを開催。YouTubeSNSを活用しPRを強化し、話題性を高めてきた。

 ただし、自社広告以外の出稿はしておらず、その影響もあってロイヤリティ収入は発売初期に比べて伸び悩んでいるという。そうした中でも「根強いファンに支えられており、手ごたえは感じている」と話すのは、文化部デスクを兼務しながら「東スポ食シリーズ」の統括も担う佐藤浩一事業室室長だ。

事業室室長の佐藤浩一氏(写真左)と同事業室の安部大星氏(写真右)

 同じ事業室の安部大星氏は、「意外とおいしいと言っていただけることが多く、飲食店にとっても商品価値は高いと感じている。今後は業務用への営業をさらに強化し、認知度の向上に取り組みたい。一方、一般のお客さまからは50個入りでは多すぎるという声もあるため、30個入り商品の展開も検討している」と話す。

 こうした「食」事業は今後も拡大する見通しだ。佐藤氏は「詳細はまだお伝えできないが、『東スポ居酒屋・青ノ山』に続く新たな外食事業の展開を、259月に予定している」と明かす。既存の「東スポ餃子」「東スポからあげ」を軸に、酒類の新商品も同時期に発売する計画だという。

 なお、平鍋社長は昨年の年頭あいさつで「東京スポーツは新聞、ウェブ、食を3本柱とする総合商社をめざす」と宣言している。259月の新たな取り組みは、「食」事業をさらに飛躍させる契機となるのか。その行方が楽しみだ。

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取材

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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