コスメ好調のロフト、“限定”“先行”商品を集められる理由とは

北野 裕子 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

トレンドに合わせて企画、リアル店舗を重視

「ロフトKコスメフェスティバル2024AWでは、スキンケア用品も充実していた

 化粧品は、ほかの商材と比べてトレンド変化が早く、国内外の多種多様なメーカーが次々と新商品を投入している。そのため、常にトレンドに合わせて企画もアップデートする必要があり、今年は定番の「コスメフェスティバル」に加えて、トレンドの韓国コスメを集めた「Kコスメフェスティバル」を2回開催した。

 24年1011月にかけて開催したKコスメフェスティバルでは、ロフト先行販売や限定商品を含めて122ブランド、621種類を揃えた。情報発信においても、若年層の利用がとくに多いTikTokYouTubeInstagramを通じて、インフルエンサーに店舗から配信してもらったりと、SNSの発信やマスメディアを通じた客観的な情報発信に力を入れている。

 さまざまな取り組みを行うなかで、ロフトが重視するのはリアル店舗における集客だ。化粧品は店頭のテスターを見ながら、色や使い心地などを試したいというニーズが強い。ロフトではECサイトも展開しているものの、「店頭で色や香りを試したり、新たな商品を見つける楽しさといった購買体験の提供を大切にしている」(田中氏)。各店舗の売場面積によって商品展開は限られるが、ロフトの店舗のなかでも売場面積が最大規模で発信力の高い「渋谷店」(東京都渋谷区)では、ポップアップストアを出店させてほしいといった依頼も多いという。

渋谷ロフトのポップアップストア(撮影は2024年11月時点)

 10年以上かけてコスメ強化に取り組んだことにより、今ではロフトの健康雑貨部門の売上は全体の45割程度まで伸長しており、文具雑貨を抜いて一番のシェアだ。ロフト全体の売上も好調で、2019年度以降、毎年10店舗以上新規出店を進めている。コロナ禍でも新規出店を継続し、他社の動きが鈍るなかでもイベントなどを実施したことにより、メーカーとの太いパイプを築けたという。

ロフト健康雑貨部の執行役員部長 山本修史氏

 ただ、コスメ業界はトレンドの変化が激しく、競合店との競争も激しい。山本氏は今後の課題として「ロフトに行かないと買えない商材をいかに集めるかがロフト商品部のミッション。トレンドを見据えて韓国コスメに代わるものは次は何か、探し続けなければいけない」と語った。

 

 

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記事執筆者

北野 裕子 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

兵庫県出身。新聞社を経てダイヤモンド・リテイルメディアに入社し、ダイヤモンド・チェーンストア編集部に所属。

趣味は国内の海や湖を巡り、風光明媚な場所を探すこと。おすすめのスポットは滋賀県の余呉湖、山口県の角島大橋。

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