決定!「第1回サステナブル・リテイリング表彰」 ローカルスーパーや生協の施策が受賞へ
コープこうべは
「てまえどり運動」で
「グッドアクション賞」に
「グッドアクション賞」のコープこうべは、応募した17年から始めた施策「てまえどり運動」が評価され受賞に至った。「てまえどり」は昨今、大手コンビニエンスストアでも取り組みが進んでいるもので、手前に陳列されている、値引き商品や販売可能期限が迫った商品から購入することを促し、食品ロス削減を減らそうという運動だ。
コープこうべでは、早期の15年、店舗を利用する組合員が食品ロス問題を知り「自分たちでも何かできないか」とプロジェクトをスタート。専門家を招いた講演会の開催などを通じて問題に対する理解を深め、誰でも気軽に、無理なく継続できる取り組みとして「てまえどり運動」を考案し、組合員を巻き込んで推進してきた。
18年には、環境チャレンジ目標「エコチャレ2030」を策定し、30年までに事業活動から出る食品廃棄物を50%削減(15年度比)する目標を設定した。その後、神戸市とも連携してキャンペーンを実施したほか、19年からはコープこうべ全店舗へ取り組みを波及。生鮮食品や日配食品の売場でPOPやシールなどを活用して告知活動を行っている。さらには組合員向けの学習会を各地で実施している。結果、21年度、コープこうべの店舗では、食品廃棄物を対15年度比で86.9%、金額換算では対前年度比で6000万円の削減に成功している。
選考委員の小林富雄氏はコープこうべの受賞理由について「サステナビリティの取り組みがここまで大きくなる以前から内発的に運動を考案し、取り組みの輪を大きくしていった行動を高く評価したい。また、チャレンジングな数値目標を掲げ、実際にクリアしている」と述べている。
また、この「てまえどり」については、消費者庁を中心に国も後押ししているもので、21年には大手コンビニチェーン4社が協業による運動をスタートしている。「このように競合の垣根を越えて切磋琢磨しながら取り組む業界の流れに今後も期待したい」という意見が選考委員全体から挙がった。