調味料をドリンクに!ミツカン「ぽん酢サワー」誕生とヒットの理由

笹間聖子
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味やヘルシー感よりも「行為」が魅力

 このような施策をはじめた20年11月を境に、「ぽん酢」の売上は市販用、業務用とも右肩上がりを続けている。「ぽん酢サワー」の飲食店での取り扱いは24年2月末時点で、1500店を越えた。

 ここで改めて、「ぽん酢サワー」の魅力はどこにあるのだろうか。「ぽん酢」は、複数の柑橘の果汁と、酢と合わせた調味料だ。サワーの基本レシピは、ぽん酢:酒:炭酸水=2:3:7の割合。酒の酒類に決まりはないそうだが、ミツカンが推すのはウォッカやジンなどの蒸留酒だ。

 砂糖が入っていないため甘さがなくすっきりとした味わいで、2杯目以降、食中酒として味わう人が多いという。元々が調味料のため、料理との親和性も高い。

 また、飲んでいる層は40代男性が中心だが、若い女性ファンも多いそうだ。選ばれる理由について佐藤氏は、「小瓶入りの調味料とお酒、炭酸水をアレンジする楽しさ、“あえてぽん酢を飲む”という面白さがウケているのでは」と説明する。砂糖なし、酢入りのヘルシー感も選ばれる理由だそうだが、最初の入口はあくまでも前者だという。 

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B to B戦略を強化
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