カテゴリーを成長させるための「機会分析」の手法とは

楢村 文信(StratModel)

 前回は顧客と財務の視点からカテゴリーの役割を設定した。今回は、カテゴリーがその役割を果たし、戦略指針を決めるための機会分析について紹介したい。

 ここでの分析では、戦略設計同様にビジネス・クエスチョンが5つ設定されている。以下を参照されたい。

ビジネス コスト 会議
カテゴリーがその役割を果たし、戦略指針を決めるための機会分析について紹介する(i-stock/ArLawKa AungTun)

カテゴリーの機会分析のためのビジネス・クエスチョン

❶カテゴリーのセグメントごとの顧客構成は? その改善機会は?

❷カテゴリーごとの競合は誰か?

❸セグメントごとの業績は?

❹どの商品が来店促進、ついで買い、購買量拡大、利益創造に貢献するか?

❺セグメントの業績に影響のある、重要な戦術策は何か?

 補足だが、戦略の分析を担うのは欧米ではマーケティング部門の役割だが、ここからはカテゴリー部門のプランニング担当の仕事となる。欧米の大手小売業では製品カテゴリーごとの事業部門の中に、プランニング、バイイング(仕入れ)やMD(商品政策)、ロジスティクスなど異なる機能部門が所属し組織を構成しており、プランナーあるいはアナリストがこの分析業務を担う。

 最初の確認点は、自社のターゲットショッパーとカテゴリーを構成するセグメントごとの購買の関連性である。図表❶のテンプレートを参考にしていただきたいが、ある地域(全国あるいはリージョン)を対象に、カテゴリーAの購買の構成を比較する。戦略設計ですでにターゲットショッパー層は決めているので、そのターゲットショッパーに対する状況を把握する。まず広い視野で機会をとらえる。

 図表❶を参考にするなら、

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