マレーシアにカンボジア……書店の海外展開を加速するTSUTAYAのねらいとは
ニューファミリー向けに児童書を充実

マレーシアには日本から紀伊国屋書店が進出しているほか、「Book Xcess(ブックエクセス)」というディスカウント書籍チェーンもあるが、TSUTAYA BOOKSTOREのようなライフスタイル提案型書店は目新しく、大きな話題となっている。3号店目が出店したイオンモール自体、物価が高い対岸のシンガポールに住む人が休日になるとこぞって買物に訪れるショッピングスポット。オープンを告知するラッピングバスをシンガポールの街中に走らせたことも話題となり、開店初日から大いに賑わった。

メーンターゲットに設定して、とくに意識したのがニューファミリーで、“Enjoy your child’s growth together”をコンセプトに掲げる。全体的に現地のニーズにあわせた品揃えで、英語と中国語で書かれた書籍を中心に取り扱うが、児童書を売るコーナーには日本語の絵本がずらりと並び、英語、中国語、マレー語に訳された日本の絵本も数多く揃える。
「子育て世代であれば、どの国も、休日に出かける先は子どもが行きたい場所が優先される。出店にあたっての不安材料として、広大なモールの隅にあり入口が狭いため集客が難しく、これまでのテナントが撤退した経緯があったため、それならば子どもと一緒に楽しんで丸一日過ごせる場所をプロデュースしようと考えた」(上本氏)



