新領域を切り開く? グリーンビーンズ、ビオラルカフェが進む独自路線とは

宮川 耕平(日本食糧新聞社)
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ビオラル 三位一体の事業

有明ガーデン店に初導入したビオラルカフェ
有明ガーデン店に初導入したビオラルカフェ

 ライフコーポレーションのビオラル事業とは、その名を冠した専門店とプライベートブランド(PB)商品、通常店で展開するコーナーが三位一体になったものです。あまり類例のないブランド展開の方法ですが(無印良品と似ています。店名・商品名・供給先のコーナー名)、そうすることでいくつかの課題を相互補完的に解消しようとしています。

 ビオラル業態のようにナチュラル志向の商品群で店舗を構えた場合、それはスーパーマーケットというよりも専門店の性格を帯びます。広域から集客を図れる一方、来店頻度はスーパーほどにはならず、出店可能な立地も制限されます。しかし、同名のコーナーを既存店に導入することで、顧客接点は大きく広がりました。すでに8割以上のライフ既存店にビオラルコーナーは導入されています。

 通常店のビオラルコーナーは、専門店と同一の世界観で演出されており、コーナーの存在感や説得力を高めています。ライフ店舗でビオラルの存在を認知した利用客が専門店に出かけたり、専門店で見つけた商品を最寄りのライフで購入するといった相互送客も生まれていることでしょう。

 最新の有明ガーデン店には、新たな試みとしてビオラルカフェを併設しました。ビオラルで販売している商品を使って、米・主菜・副菜・スープのカフェメニューをはじめ、ドリンク、サンドイッチ類、キッズメニューなどを提供するものです。

 カフェ単独でやるとすればハードルは高くなりますが、専門店に併設させたことで、外食と内食の相互送客を見込める特殊な位置づけになり、販促策のような意味合いも帯びます。また、コロナ以前にスーパーマーケット各社が可能性を探っていたイートインの発展系というか、グローサラント(この言葉を思い出すのに一苦労でした)というか、世の中がアフターコロナに移行したことを感じさせる試みでもあります。

 ビオラルをまとめると、専門店として独自のMDを追求しながらも、通常店でのコーナー展開によって顧客接点はスーパーと同等に確保しており、店舗によっては外食と内食の垣根も越えて消費の機会を提供しています。これを「業態」とは言えず、「PB」とも言えないわけで、ビオラル「事業」と呼ぶほかないという感じです。

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