鮮魚PC比率100%の店も!店内加工よりも高品質の商品を製造、丸久のプロセスセンター戦略
高齢化が顕著な山口県を主な商勢圏とする丸久(山口県/田中康男社長)。従来、インストア加工を重視してきたが、人手不足のため将来的に難しくなると判断、新しいプロセスセンター(PC)を整備した。稼働後は店内作業が大幅に低減した一方、品質のよいヒット商品も生まれるなど成果を出している。
高齢化が顕著な山口県
丸久は本社を構える防府市に「丸久プロセスセンター」を建設、2020年11月から稼働している。PC自体は約45年前から精肉、鮮魚、総菜部門で利用していたが、老朽化に伴い、それまで2拠点であった施設を統合し、さらにフードディフェンス、コールドチェーン機能も強化した。
![2020年11月から稼働している「丸久プロセスセンター」(山口県防府市](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2021/08/dcs210801_PC_Case7_Marukyu_00.jpg)
PCを整備した背景を、丸久の松田裕之常務執行役員(物流部長兼丸久プロセスセンター長)は次のように説明する。
![丸久物流部長兼丸久プロセスセンター長の松田裕之常務執行役員](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2021/08/dcs210801_PC_Case7_Marukyu_01.jpg)
「当社が多くの店舗を配する山口県は、高齢化が顕著に進行している。そのため近年、各店のとくに生鮮部門で人手不足が深刻化し、将来的に、これまで重視してきたインストア加工が立ち行かなくなると想定し、インストア加工以上の商品供給ができるPCを設けた」
19年10月1日現在、山口県の総人口に占める65歳以上の割合である高齢化率は34.3%(同県調べ)。全国平均の28.4%より5.9ポイントも高く、全国3位の水準にある。これに伴い人口も急速に減少している。
あらためて丸久のPCを紹介すると敷地面積は3万㎡、延べ床面積1万5000㎡。マイナス50℃の超低温度帯の冷凍庫を備え、入荷から保管、加工、仕分け、出荷まで一貫した低温管理を実現。物流分野では、コンテナの洗浄、保管、搬送の自動化、省人化を図るなど最新の機器、システムも取り入れた。
PCの1日当たりの生産品目数は1000アイテム(総菜400、精肉300、水産300)に上る。生産能力は総菜6万パック、水産4万パック、精肉5万パックの合計15万パック、110店までの商品供給が可能となっている。なお21年7月末現在、丸久の店舗数は山口県、福岡県、広島県、島根県に計88店舗ある。
丸久が展開する店舗は、売場面積3 0 0 坪以下の小型食品スーパー(SM)、同500~600坪のレギュラーSM、さらに総合スーパーと多様な規模、業態がある。
現状、PCの利用状況は店舗の条件によってさまざまだ。小型SMの場合、20店では水産部門の取扱商品すべてをPC供給運営としている。それら店の水産部門では、
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