JA全農たまご 代表取締役社長 小島 勝
卵の集荷から物流、企画提案まで、フルラインアップの強みを生かす!

2017/08/01 00:00
聞き手=下田健司 構成=明知真理子
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消費者に直接提案、レシピ動画を配信へ

── 販売先である流通業との取引に変化はありますか。

小島 ドラッグストア向けが伸びています。ドラッグストアというと、やはり「健康」や「予病」がキーワードになってきます。われわれは、「しんたまご」をはじめとして葉酸を添加した栄養強化卵など、健康を意識した商品をラインアップしていますので、ドラッグストアに適した商品を提供できます。また、全国に物流拠点を持っていますから、効率のよい物流も提案できます。さらに、これからはEC(ネット通販)向けについても提案を強化していきたいと考えています。

── 販促施策で力を入れていることはありますか。

小島 消費者のお客さまに卵を食べてもらうことが何より大切だと考えています。その点で、お客さまに直接提案できる機会として有効ととらえているのが料理レシピです。

 料理レシピは、本社に設置したキッチンスタジオを使って、当社の管理栄養士が開発しています。食品スーパーのバイヤーさんと一緒に開発することもありますし、外食向けにメニューを開発し商談の際に提案することもあります。また、サラダのレシピの場合はドレッシングのメーカーさんと組んで企画提案をするなど、クロス・マーチャンダイジングにも力を入れています。

 昨年度から試験的に取り組んでいるのは、料理の手順がわかるレシピ動画です。卵パックに動画のリンクを記載したり、売場でモニターを設置したりすることを企画しています。

 また、小学生を中心にした「親子料理教室」を長年、全農と一緒にやってきています。将来のファンづくりにつながる取り組みですから、今後も続けていきたいと考えています。

── 昨年8月、西武新宿線「下落合」駅前にスイーツ店「たまごCOCCO by JA全農たまご」を出店しました。ねらいは何ですか。

小島 われわれの直接の取引先は流通業のお客さまです。消費者のお客さまとは間接的に接しています。ですから、消費者のお客さまに、卵のおいしさを伝えていくための試みとしてスイーツ店を出店することにしました。当社としては初の試みで、「しんたまご」を原料にプリンやロールケーキなどのスイーツを、パティシエによる手づくりで販売しています。

 消費者のニーズを探るという面では非常に役に立っています。ただ、固定客は増えていますが、1店舗では販売量が少ないため、より広くお客さまへ伝えていくことがこれからの課題です。今は製造と販売のノウハウを蓄積している段階です。今後、多店舗展開し事業として軌道に乗せたいと考えています。

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