JA全農たまご 代表取締役社長 小島 勝
卵の集荷から物流、企画提案まで、フルラインアップの強みを生かす!

2017/08/01 00:00
聞き手=下田健司 構成=明知真理子
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特許を取得した「とくたま」、新商品を積極投入

──17年度の重点施策は何ですか。

小島 17年度は新商品を積極的に投入しています。

 われわれの既存商品に「しんたまご」という商品があります。この商品は、飼料に国産玄米を加えたほか、健康維持をサポートするオメガ3脂肪酸を強化しています。オメガ3脂肪酸とは亜麻仁油やエゴマ油などの植物油に含まれているα-リノレン酸、魚油に含まれているDHAやEPAなどの脂肪酸の総称です。しんたまごは一般の卵と比較して、α-リノレン酸を約3倍多く含んでいます。

 この「しんたまご」の“兄弟”に当たる位置づけの商品として、7月に発売したのが「とくたま」です。「とくたま」は、卵かけご飯にとくに適した生食用鶏卵を生産するための飼料で飼養しました。通常の飼料に加え、糖蜜・魚粉・米油を最適比率で配合していて、通常の飼料に含まれている動物性油脂は使用していません。JA全農の畜産部門や研究所などを含めて全農グループ一丸となって開発した商品で、飼料については特許を取得しました。「とくたま」はオンリーワンの、非常に尖った商品です。今後、さらに商品に磨きをかけていきたいと考えています。

 また、同時期に「ふつうのたまご」を発売しました。消費者が思わず選んでしまう卵というコンセプトを掲げ、選びやすいネーミングで、パッケージデザインも店頭で目につきやすくしました。飼料には植物性たんぱく質飼料を使っています。

 いずれの商品もまずは東日本で先行販売し、順次全国へ拡大する予定です。ナショナルブランドの商品として、われわれの強みを発揮し、今後も商品開発を強化していきたいと考えています。

── 商品開発で重視していることは何ですか。

小島 鶏卵産業を持続可能(サスティナビリティー)なものにするために貢献したいと考えています。生産者と協力して、平飼い卵や放し飼い卵をはじめ、オーガニック卵などの商品開発に取り組んでいることもその1つです。

 また、卵という身近な商品だからこそパッケージも重要になります。たとえば、デザインの見栄えをよくしたり、生産者の顔を載せてつくり手が見えるようにしたりしています。このほか、パックの中に紙ラベルを封入する新タイプのパックを前述の「ふつうのたまご」には採用しています。従来品はパックにラベルを貼りつけるシールタイプが主流でしたが、パックとラベルを分別廃棄しやすいと評判も上々です。

── 加工品ではどのような商品に力を入れていますか。

小島 温泉卵やゆで卵などに力を入れています。なかでも、「とろとろ半熟ゆで卵」という商品は、黄身がしっとりした半熟状に仕上がっており、非常に完成度の高い商品で好評です。このほか、加工業者の使いやすさを重視し、割卵して卵殻を除いた「液卵」も取り扱っています。これも、厚焼き卵などの卵料理やパンやスイーツの原料として販売が伸びています。

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