サトーカメラは、なぜ対面ではなく隣り合って接客をするのか?今もチラシが有益な理由とは?
まだまだ健在のチラシ販促
そんなサトーカメラが行う販促で、意外にも健在なのがチラシ販促だ。サトーカメラでも、販促の多くはLINE公式アカウントでの情報発信に移行しつつあるが、「チラシ自体がなくなることはない」と佐藤氏は話す。折込チラシは新聞を購読していなければ見ることはできないが、ポスティングはそうではない。また、店舗を訪れたお客にチラシを手渡しし、LINE登録に誘導するのにもやはり紙媒体は便利だという。
また、サトーカメラはポスティングを外部に委託せず、すべて自社スタッフが行っているのも特徴的だ。サトーカメラは地域密着型の店舗だが、その店舗で勤務するスタッフが近隣の出身とは限らない。スタッフが「自らの足で商圏を周り、どんな地域なのか、どういう人が住んでいるのかを知ることが大切」(佐藤氏)というねらいがあるのだ。
アフターコロナ、斜陽のカメラ業界、今後の生き残り戦略は
コロナ禍に打ち出したライブコマース戦略の成功によって危機を脱したともいえるサトーカメラだが、アフターコロナでは「店頭販売は3割ダウンする」(佐藤氏)と厳しい見通しを示す。実店舗での減少分をカバーするためには、現在2000万円/月を売り上げている通販の売上は、さらにここから3倍4倍と伸ばしていく必要がある。佐藤氏は、「ECの売上は(月当たり)1億円まで伸ばすのが目標。今年中にはそこまで持っていけるようにしたい」と強気の姿勢だ。
カメラ業界自体が斜陽の時代を迎えている中、今後の生き残り戦略について佐藤氏は「売上目標を達成することに固執しない。数字にこだわると、何でもいいから『とにかく売れ』になってしまう。そうではなく、集客する商品と稼ぐ商品を見極める。(プリ放題など)稼ぐ商品はどこにも負けないものを作り込むことが大切」と語った。
栃木県にサトーカメラあり、といわれるまでの成長を支えた独自の路線を、サトーカメラと佐藤氏は今後も貫き続けていく。