サトーカメラは、なぜ対面ではなく隣り合って接客をするのか?今もチラシが有益な理由とは?

2021/04/01 05:55
    若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    飾る楽しみを提供する

     サトーカメラの店内には、大きく印刷し額縁に入れられた写真が所狭しと飾られている。店内全体もマスキングテープや紙テープで派手に飾り付けられ、独特の雰囲気を醸し出しているが、これらはただ店内を装飾しているわけではない。「会心の一枚を大きく印刷して飾る、お気に入りの写真を集めてきれいに飾り付けたアルバムを作る。そういった飾る楽しみ、眺める楽しみを知ってもらいたい」(佐藤氏)ためだ。

     コロナ禍で在宅時間が増えたことを受け、今まで撮り溜めた写真を整理してアルバムにすることを促す提案も行った。「プリ放題」は、従来の一枚当たり何円という課金形態の常識を打ち破り、「50枚まで何枚プリントしても税込990円」にしたサービスだ。50枚まで同額といわれると、つい枚数多くプリントしてしまうのが人間だ。店舗側としてはもちろん、枚数が少ない方が利益に繋がるが、サトーカメラはあくまで「たくさんプリントして、写真を手に取る楽しさを知ってもらう」(佐藤氏)事を優先する。

    サトーカメラ店内
    お客が自由に使うために設置されたテーブル。奥にはドリンクバーも設置されている

     通常のカメラ店では考えられないようなサービスも、サトーカメラ実店舗では提供する。店舗の中央にテーブルを設置し、文房具やマスキングテープを大量に用意。すべてお客が自由に使うことができ、プレゼント用のアルバムを作る女子高生などが頻繁に訪れるという。さらには、長く滞在するお客のためにドリンクバーまで設置する念の入りようだ。

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