DIY、ガーデニング関連用品のネット通販(EC)「DIY FACTORY ONLINE SHOP」を手掛ける大都(大阪府/山田岳人社長)。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、スムーズに商談や事務所での仕事などをリモートワークへ移行。今後はECへの需要がさらに高まると見て、新たなサービスの充実も検討する。※インタビューは5月14日にオンラインにて実施
売上高は過去最高を記録!
──緊急事態宣言が発令されたことにより家で過ごす人が増え、ECの需要が急拡大しました。御社はいかがでしたか。
山田 当社は4月、過去最高の売上高を記録。5月に入ってからも勢いは衰えず、好調を維持している。このような経験したことのない忙しい状況を、リモートワークで乗り切れていることは大きな自信につながっている。
ただ物流への負担は大きいのは事実。物流を外部の専門業者に委託しており、当社のスタッフではないものの、つねに意識している。定期的に配送センターを訪れて現場の状況を確認した。当社のためにがんばってくれている方々に声をかけ、差し入れをするなど労をねぎらうようにしている。
──ECの需要が拡大したことで、どのような商品が売れていますか。
山田 まず、利用客層が3月までと4月以降で変わった。3月までは従来通り、職人や業者の利用者が多かった。一方、4月以降は家でDIYを行う一般消費者の割合が増えた。
4月、もっとも人気があったのは「ガーデンシュレッダー」。刈った庭木、枝を細かく粉砕する機能があり、枝をごみ袋に入れやすくなるため、便利だと好評を得ている。2位は、手軽に庭を耕すことができる耕運機の「カルチベーター」。3位は「家庭用漆喰」。漆喰は空気をきれいにする効果がある。コロナ禍の今、空気清浄に気をつかう人が多く、一般消費者に購入されている。
当社のお客さまは50歳代以上の年齢層が多い。今回の自粛期間中は、利用者数と客単価が両方向上した。新規顧客も増えており、強い手応えを得ている。
一過性ではないDIY文化を創る
──このような購買動向の変化について、どのように捉えていますか。
山田 家に滞在する時間が長くなったことで、住まいや暮らしに向き合う人が増えているのだろう。事実、商品の使い方やライフスタイルについての情報を発信する当社のWebメディアへのアクセスが急増している。多くの人が、自分の住宅について考え始めたと感じている。
これまで当社は、DIYを文化として広めたいという思いで様々な活動を続けてきた。今回はDIYが一過性の動きではなく、生活に浸透していく時期ではないかと予想している。
──そのような中、大都としてはどのような施策を考えていますか。
山田 インターネットを通じた、DIYに関するレッスンやイベントを充実させたい。ECへの需要が高まるなか、オンラインでDIYのやり方を勉強し、その後、ネットで買い物をするという購買行動がより一般的になると思う。
──新型コロナが沈静化した後、御社の事業はどのように変化すると見通していますか。
山田 明確に予想することは難しいが、日々の業務については少なくとも以前のような働き方に戻るとは思えない。リモートワークのよさを生かしながら、生産性を追求する方向に力を入れることになるだろう。