Googleマイビジネスがこれからの集客戦略で欠かせない理由と、全店アカウントを一括カンリーする方法
Googleマイビジネスを1店舗ずつ管理するのは手間でリスクも
カンリーに対する関心の高さについて、辰巳代表取締役は次のように分析する。
「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国や自治体からの要請により、営業時間の短縮や休業に踏み切ったチェーン企業は多い。ところが、Googleマイビジネスや自社サイト上で、営業時間や休日の変更情報が十分に反映できておらず、顧客からのクレームを招くケースが増えている。元々Googleマイビジネスを戦略的に活用しようという企業に加え、そうした事情もあり、カンリーへの関心が高まっているのではないか」
カンリーでは店舗情報の管理と更新作業が一括でできるほか、店舗ごとのクチコミの管理やそれらに対する一括返信、情報の閲覧数や、スマホ経由なら電話の受信管理もできる。FacebookやInstagramといったSNSアカウントごとのクチコミや返信などの一括管理も可能だ。
「Googleマイビジネスは、オープンなサービスであることもあり、第三者から情報改ざんされるリスクも少なくない。それがもとで、顧客離れが生じることもある。カンリーでは情報改ざんを自動でブロックでき、悪質なユーザーからの改ざん行為を防ぐことができる」(辰巳氏)
まだ1ヶ月程度の導入実績だが、ある小売企業ではGoogleマイビジネス等の管理業務の9割が削減され、飲食店のケースではGoogleマイビジネス経由での来店客数が平均2倍にアップしているという。
このカンリーが主として対象とするのは、Googleマイビジネスに登録している30店舗以上を展開する企業で、1店舗につきクチコミが100以上あるところだ。
地域では知られた存在である食品スーパー(SM)も、昨今は生鮮や日配品を含む食品の販売をめぐってドラッグストアやコンビニエンスストアとの競合が激しさを増している。新聞などの折込みチラシではリーチできない若い層も確実に増えており、今後はスマホを介して彼ら彼女らとつながる場として、Googleマイビジネスを選択するSMも増えてくるにちがいない。
カンリーの費用面については、米国発の同等サービスが国内で提供されているが、同サービスよりも、3割から4割程度、安価に設定されているという。
さらに、今後の開発計画ではあるが、これまでのMEOサポートから得られた知見や、カンリーにより蓄積されるクチコミデータの傾向分析などを通して、とくにネガティブなクチコミに対するアドバイスも提供する予定だ。カンリーは、2018年8月の設立の若い会社ながら、東証一部上場企業代表を含むエンジェル投資家や日本政策金融公庫等から、累計約6600万円の資金調達を果たしており、同社の今後の開発計画に対する期待の大きさを物語っている。
今回の新型コロナウイルスの影響により、リアル店舗をチェーン展開する企業では、withコロナ、afterコロナでの新戦略の構築が急がれている。
秋山祐太朗代表取締役は、MEOサポートを通じスマホ時代のリアル店舗の戦い方を模索するなかで、「EC(ネット通販)の整備や、Web会議システムを活用したオンラインコンシェルジュの導入を図っているところもあるが、リアル店舗の集客に効果を上げられるGoogleマイビジネスの積極活用も必要だ」と語る。
Googleマイビジネスに登録していれば、Google検索を入り口に集客や来店予約につなげることも可能になる。これまでそれなりのコストを負担して美容系や飲食店のポータルサイトを利用してきた店舗でも、今後は、ポータルサイト離れが進むのではないかと指摘する向きもある。
Googleマイビジネスを使いこなすことが、ウィズコロナ、アフターコロナの時代を生き抜くための第一歩となる。そう断言してもいいのではないだろうか。