通販・リアル店舗で物販売上高200億円超! 女性誌「ハルメク」の巧みなビジネスモデル

2025/10/23 04:45
吉牟田祐司

新聞購読者の減少にどう対応するか?

ハルメク物販ビジネスユニット副部長
物販ビジネスユニット副部長の川瀬卓氏

 川瀬氏は「テレビCM、Web広告も展開しているが、反響がもっとも大きいのが新聞広告で、しかも電話での注文が圧倒的に多い」と明かす。オンライン、ファクスでも注文を受け付けているものの、電話が6割。オンラインは2割、ファクスは1割。そして残りの1割が百貨店を中心に出店している店舗に足を運んでの購入という。とはいえ、販促活動の中心になっている新聞の購読者数は年々減少しており、懸念材料といえそうだ。川瀬氏も「新しいファンは当然増やしていきたい。しかし新聞広告で新たにコンタクトできる人数は天井に達していると感じる。このまま何もしなければ、成長が頭打ちになってしまうだろう」と危機感を口にする。

「これからも確実に収益を上げていくために、2つの戦略を考えている。1つはプレミアムなイベントのチケットなど、付加価値の高い商品の販売。実例をあげれば、日本で9年ぶりの公演となるウィーン国立歌劇場のオペラ鑑賞会は12万円を超すチケットがすぐに完売した。パールのネックレスなどの宝飾品も、販売価格が10万円を超えていてもよく売れる。もう1つは安定した購買の確保で、サブスクリプション型でのコスメや健康食品などの定期継続的な販売を考えている」(川瀬氏)

 あわせて顧客の世代交代も見据え、新しいファンの開拓にも挑戦する。「ハルメク世代」では若手と位置付けられるプレシニア層、つまり団塊ジュニアの50代女性に向けて、体験型コンテンツを中心に展開する情報プラットフォーム「HALMEK up(ハルメクアップ)」の活用など、新しいアプローチも検討して取り組んでいくという。

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