通販・リアル店舗で物販売上高200億円超! 女性誌「ハルメク」の巧みなビジネスモデル
百貨店中心にリアル店舗「ハルメク おみせ」も出店

さらにハルメクは、直営のリアル店舗「ハルメク おみせ」の展開にも乗り出している。現在、百貨店内を中心に22店舗を采井しており、「売上高構成比では1割程度だが、売上成長率は著しいものがある」と川瀬氏は言う。実際、2024年度の実店舗での売上高は対前年度比40%増の成長を遂げているという。
「カタログや新聞広告で商品を見て気になり『試してみたい』と来店されるお客さまが多い。リアル店舗での取扱商品はファッション分野のアパレル、インナー、靴が中心でコスメも販売する。一般的にインナーが試着できる店舗はあまりないが、弊社では着用している下着の上からの重ね着で試せる。素材にこだわり、肌負担が少なく、締め付け感のない『リラックスインナー』が売りで、試着して気に入り、購入される方が非常に多い」(川瀬氏)
「ハルメク おみせ」の2024年度の新規出店数は7店舗で、うち1店舗はポップアップストアで常設は6店舗。2025年度は4月に広島に出店し、8〜9月には一気に3店舗を開店。中長期的には35店舗程度での展開をめざしているという。顧客層が重なる百貨店をねらって出店しており通販利用者よりも年齢はやや高めの傾向という。
「ブランド単独店の出店が多い百貨店で、ファッション・コスメ・インナー・靴をトータルで揃えていることが強みとなっている。販売価格は通販と基本的に同じ。百貨店品質のものを、百貨店価格よりもリーズナブルに提供している」(川瀬氏)
ハルメクの商品は全国約30の有力百貨店のバイヤー・販売担当者の推薦で選ばれる「百貨店バイヤー賞」(繊研新聞社主催)のレディス部門で2024年度は新人賞を、2025年春夏にはキラリ賞を受賞した。ライバルとして意識するのは店舗やブランドではなく、商品ごとにベンチマークする競合を設定して、前年比20%の売上増となった「リラックスインナー」のような特徴ある商品の開発に力を入れているという。
川瀬氏は「これから力を入れて、差別化を図り、伸ばしていきたい商品がコスメ」と明かす。情報コンテンツ、物販と並ぶ事業の柱であるコミュニティでハルメクのコスメを使ったメイク講座などのリアルなイベントを開催しており、5000人超の読者モニター「ハルトモ」に依頼したアンケートやサンプリングの結果も商品開発に役立てているそうだ。








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