「りんごの合成皮革」で地域と地球を救う!? 青森発スタートアップの世界戦略
2028年の海外進出、2030年のIPOに向けて準備中

販売拡大のために考えているプランも3つ。広告代理店と連携したマス展開での先行者利益の獲得、インフルエンサーやアスリートとコラボするファンマーケティング、自社ブランドの展開によるD2C・D2Fのビジネスモデル確立だ。藤巻氏は「AirTagのケースなど、アップル製品向けの商品が欲しいという要望も多く、検討している」と明かす。
事業計画でIPOを予定するのは5年後の2030年。売上100億円を目標とする。それまでに資金調達をもう一度実施してラボを開設。ゆくゆくは小ロットの原反を製造できる自社工場を建設し、ファブレスメーカーとして提携してきた工場とともに稼働させて、効率的かつ確実な量産が可能な体制を敷く計画という。市場戦略では、すでにシンガポールでの事務所設立に向けて動いており、2028年の海外進出を予定している。
「ブランド実績を築くなら欧州でありアメリカ。それから先のマス展開を狙うのであればアジア。インド、中国、それにタイも大きなポテンシャルを秘めている。そのためにシンガポールをアジアのショールームとして、しっかり戦略的に取り組んでいきたい」(藤巻氏)
青森のりんごから生まれたエシカルなビジネスの種。弘前のものづくりスタートアップは、世界で花を咲かせ、実を結ぶか。これからの広がりが注目される。






アパレル相関図2025 コナカ、オンワードなど軸に合従連衡進む
