ついつい長居したくなる!? 長野のローカルコンビニ「わざマート」人気の理由
気軽にサッと立ち寄って買物ができるものの、ついつい長居してしまう。そんなローカルコンビニがある。長野県で2店舗を展開する「わざマート」だ。県外からの来店も多く、出店要請が引きも切らない人気ぶり。小売関係者も数多く視察に足を運んでいるという。一体、どのような店づくりをしているのか。運営会社わざわざ(長野県)の平田はる香代表に話を聞いた。
個人事業でパンの移動販売からスタート

わざマートは長野県の東御市と諏訪市に2店舗を構え、どちらも30坪ほどの店内に、食料品、日用雑貨、酒類・飲料、冷凍食品などおよそ2000アイテムを取りそろえる。営業時間は原則として年中無休で、9時から19時までの10時間営業。両店ともロードサイドにあって、アクセスしやすい立地だ。
わざマートを運営するわざわざは、パンの移動販売からスタートし、自宅を改装してパンと日用品を売る店をオープン、次いで喫茶・ギャラリーを兼ね本や衣類を中心に取り扱うショップを開設した。しかし、どちらの店舗も立地は山間部。アクセスが悪く、気に入って通ってくれる人からも「雪の日は行けない」「坂を上るのが怖い」といった声が聞かれた。もっとも経営状態は好調で、さらなる出店に踏み切れる状態だったことから、コンビニに農産物直売所をプラスしたような「わざマート」の1号店を東御市のロードサイドに出店した。

事業を立ち上げた当時、平田氏は個人事業主。最初から店を構えるのではなく、移動販売から小さな一歩を踏み出したのには過去の苦い経験がある。父子家庭で育ち、中学時代にはその父親が末期がんで余命宣告を受けた。高校には進学したものの、その後の人生に希望を抱くことができず、大学進学はあきらめて就職。ところが同時期に父親のがんが寛解し、社会復帰を果たすことができた。
「父親のがんが寛解したのはよかったが、中高時代を父親の病気に振り回されて過ごしてきた揺り戻しで、色々なことが面倒になってしまった。申し訳ないが、そもそも就職したかったわけではなかったので、入れてもらった会社は3日で辞めた。浪人して大学に進むことも考えたが、それも面倒で、とにかく家を出たい一心で東京のファッション系専門学校に入った」と平田氏は振り返る。





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